WIPOグローバル・イノベーション指数2023、香港は17位に後退

(香港)

香港発

2023年10月04日

世界知的所有権機関(WIPO)は9月27日、グローバル・イノベーション・インデックス(GII)の2023年版の報告書(注1)を公表した。

GII(注2)の総合ランキングで、香港特別行政区は前年の14位から順位を下げ、132カ国・地域の中で17位だった。アジア地域では前年に引き続き、シンガポール(全体5位)、韓国(10位)、中国(12位)、日本(13位)に次いで5位を維持した。なお、全体の1位はスイス、2位はスウェーデン、3位は米国で、前年から2位と3位の順位が逆転した。

香港は、GIIを構成する7つの評価項目のうち、「制度」(8位)、「インフラ」(9位)、「市場の洗練度」(2位)、「イノベーション・アウトプット」(3位)の4項目が10位以内に入ったものの、前年同様に「知識、技術の産出」(51位、注3)、「事業の洗練度」(28位、注4)の2項目が伸び悩んだ。

また、科学技術クラスターのランキングでは、「深セン市・香港・広州市」が前年に引き続き、1位の「東京都・横浜市」に次ぐ2位を維持した。3位はソウル市、4位は北京市、5位は「上海市・蘇州市」、6位は「サンノゼ・サンフランシスコ」で、前年から3位と4位、5位と6位の順番が逆転した。

(注1)日本を含む132カ国・地域のイノベーション・パフォーマンスをランク付けした年次報告書。WIPOのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。

(注2)イノベーションの全体像を可能な限り把握することを目的として、(1)制度、(2)人的資本と研究、(3)インフラ、(4)市場の洗練度、(5)事業の洗練度、(6)知識、技術の産出、(7)創造的なアウトプットの7項目から構成する約80の指標について評価した指数。

(注3)特に「労働生産性の成長」(78位)、「知識の普及」(122位)、「ハイテク輸出(貿易総額に占める割合)」(121位)、「ICT(情報通信技術)サービス輸出(貿易総額に占める割合)」(101位)の4つの指標が低かった。

(注4)特に「ICTサービス輸入(貿易総額に占める割合)」(119位)、「知的財産権に関する支払い(貿易総額に占める割合)」(84位)の2つの指標が低かった。

(島田英昭)

(香港)

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