米グライドウェイズ、都市交通の自動運転プロジェクトを新たに受注

(米国)

サンフランシスコ発

2023年10月17日

米国カリフォルニア州ベイエリアでオンデマンド型交通システムの設計・開発・運用サービスを提供するスタートアップのグライドウェイズ(本社:カリフォルニア州サウスサンフランシスコ、2016年設立)は10月6日、5,600万ドルの資金調達と州内のコントラコスト交通局とトライデルタトランジットの公共交通ネットワーク整備プロジェクトに選出されたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この資金調達はニューサイエンスベンチャーズ主導のシリーズBの資金調達で、累計で7,000万ドル以上の調達となった。同社の公共交通機関からの受注は、2023年4月の同州サンノゼ国際空港とサンノゼ市内中心部のディリドン駅を結ぶ交通ネットワークのプロジェクトに続く2件目となる。

同社は、グライドカーと呼ばれる自動運転の電気自動車(EV)が専用道路を走行する個人用高速輸送(Personal Rapid Transit:PRT)システムを開発し、サービス提供している。交差点や他の車両が入らない専用レーンを使用し、1車線・方向につき1時間当たり最大1万人を移動させることができるという。また、オンデマンド型のサービスのため、より多くの人が公共交通機関並みの運賃で移動可能とのことだ。同社によると、グライドウェイズのシステムに必要な設備投資額は過去の米国内での鉄道やバスレーンなどの建設費用に比べて少額で、事業運営コストも鉄道の半分以下となり、経済合理性が高いと述べている。

日本では、グライドウェイズが京都市に対して、2017年12月に次世代型PRTとして構想を提案しており、2018年に調査が行われている。路面電車(LRT)やバス高速輸送システム(BRT)と比較して輸送人員が大きく、1キロ当たりの整備費が3分の1から6分の1程度になると試算されている。

(芦崎暢)

(米国)

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