米サンフランシスコで日本酒イベント「SAKE DAY」が開催

(米国、日本)

サンフランシスコ発

2023年10月05日

10月1日の「日本酒の日」(注)より一足早い9月30日、米国サンフランシスコ市で、米国消費者向けの日本酒試飲イベント「SAKE DAY」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開催された。同イベントは、サンフランシスコで日本酒を販売するトゥルー・サケ(True Sake)が2005年から開催している。

今回のイベントには、輸入事業者、販売事業者、日米の酒蔵など、50を超える企業・団体が出展。主催者によると、入場チケットは8月には既に売り切れ、キャンセル待ちリストも作成された。イベント当日の会場周辺では参加者による長蛇の列ができ、入場まで1時間ほどかかった来場者もいた。参加者には、受け付け時に各ブースで試飲できる日本酒のリストが配布され、試飲しながら日本酒をチェックし、気に入ったものはオンラインで購入できるように顧客導線が確保されていた。

イベントでは、ウェルカムドリンクならぬウェルカム日本酒として、本イベント初出展となる「浦霞」の醸造元である佐浦(宮城県塩釜市)の日本酒が振る舞われた。同社の佐浦弘一代表取締役社長兼マーケティング本部長はジェトロに対し、「これまでサンフランシスコではレストランを中心に販売していたが、新型コロナ禍により取引先のレストランも閉店したほか、取扱商品を削減するなどしたため、販売がストップしてしまった。何とかサンフランシスコでの販売を復活させたいという気持ちで、今回初めて出展した」と述べた。また、米国で日本酒を販売する米国系の出展企業からは「もう少し多く日本酒を扱いたい、日本酒はまだ市場が伸びると考えている」という声が聞かれた。

写真 試飲を提供しながら商品説明をする事業者(ジェトロ撮影)

試飲を提供しながら商品説明をする事業者(ジェトロ撮影)

写真 各ブースにはQRコードが置かれ、その場でオンラインにて購入可能(ジェトロ撮影)

各ブースにはQRコードが置かれ、その場でオンラインにて購入可能(ジェトロ撮影)

また、本イベントに合わせて、日本の酒蔵がサンフランシスコやオークランドなど近郊の小売店やレストランに営業活動を行ったほか、日本食レストランでのペアリングイベントや現地のワインショップなどでの試飲イベントなども行われ、日本酒の新たな市場開拓を図った。

(注)新米が収穫されて新酒が醸される時期であることなどから、日本酒造組合中央会が1978年に定めた。

(芦崎暢)

(米国、日本)

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