CEATEC 2023でウクライナICTビジネスカンファレンス開催

(ウクライナ、日本)

調査部欧州課

2023年10月31日

イノベーションをテーマとする展示会「CEATEC 2023」が幕張メッセ(千葉市)で101720日に開催され、ウクライナIT企業11社がウクライナパビリオンを出展した(2023年10月19日記事参照)。20日に行われた「ウクライナICTビジネスカンファレンス」には、日本とウクライナの政府・企業関係者が登壇し、ウクライナの情報通信技術(ICT)分野の国家方針や事業連携事例、実際の商品やサービスの紹介が行われた。

デジタル変革(DX)省IT産業開発法規制管理局のオレクシー・ドブロンラボフ局長はウクライナの市民プラットフォーム「Diia」の取り組みや、ウクライナIT産業の状況と国内のIT教育について紹介した。

写真 オレクシー・ドブロンラボフ局長の発表(ジェトロ撮影)

オレクシー・ドブロンラボフ局長の発表(ジェトロ撮影)

起業・輸出促進機構(EEPO)のアンドリー・レミゾフ局長は、DX省と協力している起業や輸出事業開発のための国家プロジェクト「Diia Business」の取り組みや、ウクライナとの貿易相手を探すための輸出業者データベースを紹介した。

写真 アンドリー・レミゾフ局長の発表(ジェトロ撮影)

アンドリー・レミゾフ局長の発表(ジェトロ撮影)

ウクライナIT協会のマリア・シェフチュク事務局長代理は2022年のウクライナGDPのうち、ICT輸出が4.6%を占めていると発表した。ICT輸出額は2010年と比べて18.2倍の73億ドルに達し、サービス輸出額の45.6%を占めていると強調した。

大日本印刷の山下純一郎DXアライアンス推進グループリーダーはウクライナのDX推進支援サービスを提供するエレックスと協働した事例を紹介した。山下氏はエレックスのグローバルプロジェクト経験の豊富さや文化・商慣習のギャップ解消に対する積極性、先進的な手法を使った課題解決力の高さを挙げ、ウクライナ人材の優秀さを実感したと述べた。

ウクライナ政府は1020日、CEATEC 2023はウクライナ企業にとって日本企業とのパートナーシップを拡大する新しい機会となったと発表した。会場を訪れたセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使も自身のSNSで、出展したウクライナ企業がCEATEC AWARD(注)を受賞したことについて触れ、ウクライナパビリオンの成功を祝福した(1020日)。

写真 CEATEC AWARDのグローバル部門で準グランプリを受賞したCardiomo(ジェトロ撮影)

CEATEC AWARDのグローバル部門で準グランプリを受賞したCardiomo(ジェトロ撮影)

CEATEC 2023には世界の21カ国・地域から195社・団体、合計で684社・団体が出展した。会期4日間の登録来場者総数は前年比9.1%増の89,047人だった。次回の開催は2024101518日の4日間、幕張メッセを予定している。

写真 展示会で製品のデモンストレーションを行うKodisoft(ジェトロ撮影)

展示会で製品のデモンストレーションを行うKodisoft(ジェトロ撮影)

(注)CEATEC AWARDは、日本中、世界中の最先端テクノロジーが集まるCEATECで、特にイノベーション性が高く優れていると評価された作品に授与される。

(小野塚信)

(ウクライナ、日本)

ビジネス短信 532af4119930641c