ブラジル初のカーボンクレジット認証機関が設立

(ブラジル)

サンパウロ発

2023年10月05日

ルクス・カーボン・スタンダード(LuxCS)は9月21日、ブラジル初のカーボンクレジット認証機関の設立を発表した。LuxCSは「トリプルC」という自社で制定したカーボンクレジットの認証基準を導入し、それに沿って二酸化炭素(CO2)排出を抑制または相殺するプロジェクトを認証し、カーボンクレジットを発行する事業を行う。同機関によって認証を受けたクレジットは、ボランタリー炭素市場(注)で取引可能となる。

現時点では、ブラジル国内取引のみが想定されるが、LuxCSは今後、国際排出量取引協会(IETA)の傘下団体で、ボランタリーに取引されるクレジットの信頼性を評価する国際炭素削減・オフセット連盟(ICROA)からの承認を得るための申請を行う予定。LuxCSの公式サイトによれば、ICROAの承認があれば、発行されたクレジットはブラジル国外でも認められるようになる。

LuxCSのペドロ・クラウス社長は9月22日付現地紙「フォーリャ」のインタビューで、同機関の強みとして、ベラやゴールドスタンダードなどの大手カーボンクレジット認証機関より認証にかかるコストが大幅に安いこと、ドルではなく、レアルで決済が行われることや小規模プロジェクトでも積極的に受け入れることなどを強調した。

(注)ボランタリー炭素市場では、企業あるいは個人は、法律や条約によって定められた義務を果たすためではなく、任意でカーボンニュートラル実現のためにカーボンクレジットを購入する。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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