シェムリアップ・アンコール国際空港が試験運用開始

カンボジアのシェムリアップ・アンコール国際空港（SAI）が10月16日、試験運用を開始した。同日、第1便としてタイからの旅客機を受け入れ、記念式典が開催された。正式な開港は11月16日で、フン・マネット首相出席の下、行事が執り行われる予定だ。

SAIは、カンボジア最大級の国際空港となる。総工事費は11億ドルで、中国政府系のアンコール・インターナショナル・エアポート・インベストメント・カンボジアが55年間のBOT（建設・運営・譲渡）方式で受託した。建設は2020年3月に開始され、2023年10月に第1期工事が完了した。SAIの総敷地面積は約700ヘクタールで、北海道の新千歳空港とほぼ同じ大きさだ。滑走路はカンボジアで最長となる3,600メートルのものを完備している。新空港の年間旅客処理能力は2024年に700万人で、2040年には1,200万人への増加を見込む。また、年間貨物処理能力は2024年に1万トン、2040年には2万6,000トンを見込んでいる。

記念式典で、ボンセイ・ビソット副首相・閣僚評議会担当相は、今後のフライト数と乗客数の増加次第で空港の面積をさらに拡張する用意があるほか、「空港に隣接する1,000ヘクタールは経済特区として準備しており、地域一帯を空港都市へと変貌させる計画だ」と述べた。

旧シェムリアップ国際空港から機能を移行

SAIは、世界遺産のアンコールワット遺跡群から41キロ、シェムリアップ市街から50キロの距離にある。これまで使用されていた旧シェムリアップ国際空港（REP）はアンコールワット遺跡群から5キロほどの距離に位置し、航空機離発着による振動や汚染が世界遺産や近隣住民に影響を与えていると指摘されていたが、SAIの運用開始に伴い、REPを離発着する全てのフライトは10月15日の便をもって終了となった。なお、カンボジア政府はREPの空港跡地の活用方法を未定としている。

（トー・タイ）