韓国・サウジアラビア、官民でクリーン水素協力拡大に合意

(韓国、サウジアラビア)

ソウル発

2023年10月26日

韓国・サウジアラビア首脳会談に併せ、韓国産業通商資源部とエネルギー関係機関・企業は10月22日、サウジアラビア側とクリーン水素やエネルギーに関する5件の了解覚書(MOU)と2件の契約を締結した。

政府間協力のMOUとしては、クリーン水素分野の相互協力の拡大のための「韓国・サウジアラビア水素オアシス協力イニシアチブ」が産業通商資源部とサウジアラビアのエネルギー省との間で締結され、水素の生産、流通、活用、制度など水素経済のバリューチェーン全体に関する両国の協力を強化していくことに合意した。

また、韓国電力や、ポスコホールディングス、ロッテケミカルといった韓国企業とサウジアラムコとの間では、サウジアラビアでのブルーアンモニア(注)生産事業に関する相互協力の意向表明書(LOI)を締結した。

その他、民間ベースでの水素関連協力について、3件のMOUを締結するとともに、韓国石油公社とサウジアラムコとの「原油共同備蓄契約」など2件の契約が締結された。

韓国政府は、韓国とサウジアラビアの関係が石油などの既存エネルギー源を基盤としたものから、今後は水素など未来のエネルギー源に対する未来志向の協力関係に発展できるよう後続措置をとることとしている。

(注)天然ガスからアンモニアを製造するときに排出される二酸化炭素(CO2)を分離、回収して地下に貯留することで作られた、CO2フリーのアンモニアのこと。

(橋爪直輝)

(韓国、サウジアラビア)

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