ヨコガワ・ヨーロッパ、ポーランドのオルレンと合成航空燃料の生産プロセス開発で提携

(ポーランド、日本)

ワルシャワ発

2023年10月02日

横河電機の欧州地域本社のヨコガワ・ヨーロッパ(本社:オランダ)は9月21日、ポーランドのエネルギー大手オルレンと、持続可能な航空燃料(SAF)の一種である合成航空燃料の製造のため、統合管理ソリューションの共同開発に関する覚書(MOU)を締結したことを発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。締結式典には宮島昭夫駐ポーランド大使も参加した。

両社は、二酸化炭素(CO2)とグリーン水素を原料とする合成航空機燃料の生産に関し、コストや環境負荷の観点から最適化する統合管理ソリューションを共同開発する。この取り組みには、デジタルツインと呼ばれる生産設備の仮想レプリカを用いた生産プロセスのシミュレーションや微調整が含まれる。オルレンは2030年末までに建設される合成航空燃料の製造施設にこのソリューションを導入する予定で、同年末までに年間7万トンの生産能力を達成することを目標にしている。

合成航空燃料は、再生可能エネルギーを使った電気分解によって生成された水素と、発電、バイオマス工場、セメント工場、製鉄所、肥料工場などさまざまな産業プロセスから発生するCO2分子を結合させることによって製造される。そのため、温室効果ガス(GHG)の産業排出を大幅に抑制することができる。また、従来の石油由来の燃料と同じ特性を持ち、石油燃料用に設計された貯蔵や輸送インフラ、現行の内燃機関自動車にも活用できるため、航空以外の産業分野でも経済的な脱炭素化を促進することが期待される。

写真 MOU締結式典の様子(オルレン提供)

MOU締結式典の様子(オルレン提供)

(柴田紗英)

(ポーランド、日本)

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