スイス化学品メーカーのクラリアント、広東省恵州市で新規工場の操業開始

(中国、スイス)

広州発

2023年10月23日

スイスに本部を置く化学品メーカーのクラリアント(Clariant AG)は10月12日、中国広東省の恵州市大亜湾経済技術開発区(大亜湾石化区)に新設した先進的なハロゲンフリー難燃剤「Exolit OP(エクソリット)」(注)生産工場の操業を開始したと発表した。同工場は100人の現地従業員で運営される。

同工場の最初の生産ライン建設には6,000万スイス・フラン(約100億8,000万円、CHF、1CHF=約168円)が投資された。電気自動車(EV)と電子電気分野のエンジニアリングプラスチックの製品化を支援するため、地元の顧客に革新的かつ持続的な難燃剤「Exolit OP(エクソリット)」分野の専門技術を提供する。現在建設中の2本目の生産ラインには4,000万CHFを投資し、2024年に生産を開始する予定。

クラリアントのアンゲラ・チャコビッチ(Angela Cackovich)吸着剤・添加剤事業兼欧州、中東アフリカ地域総裁は「革新的なプラットフォーム、設備やシステムによって、中国とアジア太平洋地域全体の顧客により良いサービスを提供し、EV、インフラ、第5世代移動通信システム(5G)、エネルギー輸送などの分野の技術発展を推進する。生産の現地化により、顧客の開発ニーズに応じてソリューションをカスタマイズでき、納期を大幅に短縮することができる」と述べた。

(注)クラリアントのExolit OPシリーズ難燃剤は、スマートフォンやパソコンなどの電子機器に難燃性を付与し、インフラ用途では炎や煙の拡散を遅らせるなど、独自の燃焼保護特性を発揮する。ハロゲン系難燃剤とは異なり、環境への負荷が低く、危険物として取り扱われないホスフィン酸金属塩をベースとしている。

(梁梓園)

(中国、スイス)

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