ALPS処理水の放出開始後1カ月、日本産輸入食品の基準超過はなしと発表

(香港、日本)

香港発

2023年10月10日

香港政府は、日本が東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水の放出を開始してから1カ月が経過した9月25日、8月24日から9月25日正午までの期間において、輸入時に放射線量を検査した日本産食品5,008サンプル(うち3,005サンプルが水産物)および香港内で採取・検査した1,604の水産物について、いずれも検査結果は基準を超過しなかったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、香港内の水に関するモニタリングでも異常は確認されていないとしている。

一方で、必要な検査証明書を添付していなかった事例や輸入禁止となっている10都県で加工した水産物を輸入しようした、などの輸入規制における違反事例がいくつか報告されている。

また、農林水産省輸出・国際局は、香港において9月14日および15日に、日本から輸入された食品の通関手続きが大幅に遅延する事例が一部で発生したことを踏まえ、香港への日本産食品の輸出に関する注意喚起をしている。香港政府は、これは放射線規制とは無関係で、輸入貨物の集中に加え、通関手続きにおいて追加情報を求められるケースがあったことが原因で、通関スタッフの増加によりスピードアップを図る方針が示されているとしている。また、通関手続きに時間を要するのは複数の要因があるものの、貨物の集中のほか、添付書類の記載内容の不明確さや不完全さなどによる場合があることから、特に個別のロットの中に異なる種類や異なる産地の食品が混載されている貨物の場合において、明確、完全かつ正確な書類を添付するよう、注意を呼びかけている。

香港政府は、8月24日から一部の水産物に係る輸入規制を実施している。輸出入の前に最新情報を確認するとともに、香港側の輸入業者と十分に連絡をとり、適切に対応することが重要となる(2023年8月24日記事参照)。

(山崎裕介)

(香港、日本)

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