第87回テッサロニキ国際展示会が開催、来場者数は悪天候により前年比約半数減

(ギリシャ、ブルガリア)

ミラノ発

2023年10月10日

ギリシャと外国の製品・サービスをビジネス関係者や一般客向けに紹介する第87回テッサロニキ国際展示会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが9月9~17日に開催された。

9月19日付の主催者発表によると、会期中の来場者数は12万3,864人で、9月4日から中部テッサリア地方を襲った悪天候「ダニエル」の影響で、前年に比べ約42%減となった。

ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は9月16日に展示会場で行ったスピーチで、国内で起こる自然災害に対し既に拠出されている3億ユーロの特別対策基金について、2024年から6億ユーロへ増額することを表明した。また、2023年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前年同期比2.7%とEUで第2位だったことに言及し、ギリシャ経済がスムーズに回復していることを強調した。その上で、選挙前の44億ユーロの財政公約を2024年にかけて引き続き実行に移していくことをあらためて確認し、公務員給与の10.5%引き上げや最低保証所得の引き上げ、年金受給額の引き上げなどの実施について述べた。さらに、財政規律を守り、改革を継続するという政府のコミットメントをあらためて表明した。

今回の展示会はブルガリアを主賓国に迎え、18カ国から1,500の企業が出展した。そのうち韓国やモルドバ、タイは初参加、その他、キプロス、バングラデシュ、インドネシア、ベトナム、ウルグアイ、ウクライナ、アルメニア、イラン、イタリア、ポーランド、フランス、セルビア、インド、ネパールから参加があった。

展示構成は「ギリシャと起業家精神」「アカデミア」「ギリシャの地方」「サーキュラーエコノミー」「美食・栄養」「デジタルギリシャのスタートアップ」「公共機関・団体」「世界からの参加者」「家具・住宅設備」と題した9つのテーマ別展示を設けた。会場ではリンナイ、東芝、月桂冠の日本企業3社の製品を含め、最新の技術開発や市場動向が紹介された。

主賓国ブルガリアからは、エネルギー、サーキュラーエコノミー、工業、イノベーションとテクノロジー、食品、輸送・物流、化粧品、観光などの分野から60社が出展し、展示会主催者とギリシャ産業連盟(SEV)の管轄の下、ギリシャ企業との1,000件以上の商談が実施された。9月9日に開催された主賓国パビリオンの開会式で、ブルガリアのボグダン・ボグダノフ経済産業相はギリシャとブルガリアの2国間貿易について、2022年の貿易額は59億ユーロ以上を記録し、2021年比で約30%増加したと言及。また、ブルガリアに進出しているギリシャ企業は1万8,000社を超えたと述べた。

(井上友里)

(ギリシャ、ブルガリア)

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