中銀、9カ月ぶりに政策金利を引き上げ6.0%に

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年10月23日

インドネシア中央銀行(BI)は10月19日、前日から2日間にわたり行われた理事会(金融政策決定会合)の結果、政策金利の7日間リバースレポ金利を0.25ポイント引き上げて6.00%にすると発表した(10月19日付BIプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。併せて、翌日物預金ファシリティー金利、貸付ファシリティー金利についてもそれぞれ5.25%、6.75%に引き上げた。政策金利を引き上げるのは、2023年1月以来9カ月ぶり(2023年1月31日記事参照)。今回の引き上げで、新型コロナ禍前の2019年7月以来の高水準となった。2023年10月19日のルピアの対米ドル為替参照レート(JISDOR外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は1ドル=1万5,838ルピアとなり、2020年4月13日以来のドル高ルピア安になっていた。

BIはプレスリリースで、「世界経済の不確実性が高まる中、自国通貨ルピアの安定性を高め、輸入インフレの影響に対処するための予防的措置だ。また、地政学的緊張の高まりがエネルギーや食料価格を押し上げ、国際的にも高インフレが続いている。インフレを抑制するため、先進国の政策金利は長期的に上昇を続けると予想され、インドネシアを含む新興国から先進国へ資金が流入し、新興国の各通貨で米ドル高の状態になっている。ルピア相場の安定性を保つための対策が必要だ」とした。

民間大手プルマタ銀行チーフエコノミストのヨシュア・パルデデ氏は「BIの金利の引き上げはルピア安への対応、輸入インフレの影響緩和のための措置で、評価する」としている(「コンタン」10月20日)。

(八木沼洋文)

(インドネシア)

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