ASEANビジネス投資サミットが閉幕

(ASEAN、インドネシア)

ジャカルタ発

2023年09月12日

ASEANビジネス投資サミット(ABIS)が934日にインドネシア・ジャカルタで開催された。本イベントは、ASEAN首脳会議の併催イベントとして、ASEANビジネス諮問委員会(ASEAN-BAC)の2023年議長のインドネシア商工会議所(KADIN)が主催した。

91日に国家宮殿で開催されたABIS2023のオープニングセレモニーには、ジョコ・ウィドド大統領のほか、ルフット・ビンサル・パンジャイタン海洋・投資担当調整相、アイルランガ・ハルタルト経済担当調整相、レトノ・マルスディ外相、KADINのアルシャド・ラシッド会頭が出席した。ジョコ大統領は、大統領演説で「ASEANとは調和のとれた家族のような存在だ」とし、ASEANの連携性を強調した(91detik.com)。

2023年のABISのテーマは「ASEANの中心性:さらなる包括性を目指した革新(ASEAN Centrality: Innovating Towards Greater Inclusivity)」で、経済成長への逆風、長引く地政学的な緊張、世界経済の分断の中で、ASEANの成長可能性に対する企業の信頼を醸成することを目的とし、ASEAN首脳やビジネス界のリーダーらが議論を行った。

オープニングセッションに続いて、デジタル化やカーボンニュートラルに向けた取り組みなど複数のパネルディスカッションが行われた。急速なデジタル化が進む社会での中小・中堅企業の生産性向上、金融の包括性の促進などをテーマとしたセッションでは、ジェトロの石黒憲彦理事長が基調講演を行い、ジェトロが行うイノベーション分野やデジタル・トランスフォーメーション促進の取り組みを紹介した。同様に基調講演を行ったシンガポールの政府系投資会社、テマセクホールディングスのディルハン・ピレイ・サンドラセガラ最高経営責任者からは、ASEANのデジタル経済の今後の見通しが説明された。

写真 ABISでの基調講演の様子(ジェトロ撮影)

ABISでの基調講演の様子(ジェトロ撮影)

また、ABISに先立って、サイドイベントとして9月2日に開催された「ASEAN Future Generation Business Forum」には、各国の若手の起業家、企業経営者が参加した。石黒理事長も登壇した「ASEANの繁栄と革新的成長の共創(Co-Creating ASEAN Prosperity and Innovative Growth)」セッションでは、シンガポール、タイ、フィリピンの若手経営者に加え、日本の若手経営者も登壇し、ASEANの今後の成長にデジタル技術の進歩とビジネスへの応用が不可欠なことや、経営者として短期的な成長だけではなく中長期的な視座を持つことが必要とするなど、多面的な議論が行われた。

(尾崎航)

(ASEAN、インドネシア)

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