国営マンディリ銀行、スタートアップと連携、水産業の金融包摂の取り組み強化

(インドネシア)

ジャカルタ発

2023年09月25日

インドネシア国営の商業銀行大手マンディリ銀行は9月20日、水産業関連スタートアップで、フィッシュログ(FishLog)を運営するランタイ・パソック・テクノロギとの連携を発表した。同社との連携を通じ、テクノロジー・デジタルサービスを活用した中小零細企業による融資へのアクセスを水産業分野で強化する。

FishLogは2020年に設立されたスタートアップで、水産業のコールドチェーンネットワークを強化するプラットフォームを提供する。同社のサービス対象者には水産業従事者や冷蔵倉庫所有者、流通業者、購入者など水産業に関わる多くのステークホルダーが含まれ、冷蔵倉庫の有用性向上や水産物のサプライチェーンの合理化をサービスとして提供する。また、自社運営のフィッシュ・ログ・アカデミーを通じ、28歳以下の水産業従事者に対して、水産業の安全検査や運営管理のトレーニングを提供するなど、教育にも力を入れる(Fishlogウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

9月20日の署名式に参加したマンディリ銀行のアレクサンダー・ディッポ中小企金融部門長は「マンディリ銀行はFishlogとの協力を通じて、水産業の中小・零細企業、それも銀行取引が可能な企業と、従来の銀行取引にはまだアクセスできない企業の双方による融資へのアクセスを増やしたい」と述べた。この協力を通じて、中小・零細企業への500億ルピア(約5億円、1ルピア=約0.01円)の融資を目指すとし、協力の進捗に応じて目標を引き上げる可能性もあるとした。

FishLog共同創業者の1人のバユ・アンガラ氏は「この協力を通じ、包括的なデジタル金融アクセスを構築するという当社の使命に沿って、インドネシア国内45か所で金融サービスを受ける機会を構築する。当社のビジネスパートナーをさらにサポートできる」と期待感を示した(9月20日マンディリ銀行ウェブサイト)。

(尾崎航)

(インドネシア)

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