世界最大の生鮮ブドウ輸出国、日本向けに初出荷

(ペルー、日本)

リマ発

2023年09月27日

ペルー農業灌漑開発省(MIDAGRI)は9月16日、ペルー産生鮮ブドウ(添付輸出認可品種リスト参照:英語)の日本向け初出荷分の輸出認証を行ったと発表した。ペルーは2021年から世界最大の生鮮ブドウ輸出国の地位にあり、輸出先は米国向けを筆頭に北米、欧州、アジア、中南米諸国など多岐にわたっている(添付資料表1参照)。ペルー産生鮮ブドウは同省傘下の農業検疫局(SENASA)が、日本の農林水産省と2014年から輸出解禁のための検疫協議を開始して、2023年3月22日に必要なすべての手続きが完了し、対日輸出が可能となった。

SENASAによれば、今回輸出されたのはピウラ州産赤ブドウのアリソン種2,000ケース(16.4トン)とのこと。一方で、輸出元であるチリの大手VERFRUTグループ傘下、ソシエダ・アグリコラ・ラペル(SOCIEDAD AGRÍCOLA RAPLE)のパブロ・エイヘラルデ社長は、今回の初出荷は合計でコンテナ2本(35トン相当)となり、最終的にはコンテナ120本分が輸出される予定だとペルーの有力紙ヘスティオンにコメントしている。

ペルーは2021年から世界最大の生鮮ブドウ輸出国の地位にあり、その中でもラペルは最大の生鮮ブドウ輸出企業(添付資料表2参照)だ。同社は、現在世界41カ国への輸出実績がある(添付資料表3参照)。エイヘラルデ社長は、輸出の対象を同社がペルー北部で9月から12月にかけて生産する生鮮ブドウ(赤色・緑色両種)としており、特に日本向けには高品質の種なし種の需要が高いという。輸出価格については、今回の種なし赤ブドウ種で、その他のアジアの既存輸出先と同様に1キロ当たり3ドル(FOB価格)程度。今後、出荷予定の種なし緑色種についてはこれをわずかに上回る予定と示唆している。

ペルー貿易観光促進庁(PROMPERÚ)によると、ラペル以外にも現在、カンポソル(CAMPOSOL)、エル・ペドレガル(EL PEDREGAL)、ダンペル(DANPEL)(注)などの大手企業も日本の生鮮ブドウ市場への参入を狙っているという。特に両国間では、2012年に発効した日本・ペルー経済連携協定(EPA)に加えて、2021年にペルーが包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)も批准したため、同国から日本へのブドウの輸入関税は無税となっている。今後、ペルー産農産品の対日輸出への期待値はますます上がるとみられる。

(注)カンポソルとエル・ペドレガルは100%ペルー資本企業。ダンペルはペルーとデンマークの投資家によるジョイントベンチャー企業。

(設楽隆裕)

(ペルー、日本)

ビジネス短信 da8ca2a26260b12d