バイデン米大統領、レーバーデーに当たり談話発表、労働者向けの取り組み強化強調

(米国)

ニューヨーク発

2023年09月04日

米国のジョー・バイデン大統領は9月1日、レーバーデーを前に談話を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同時に、この談話で言及した施策などの成果の詳細を示したファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも公表した。

談話はまず、過去の米国の指導者たちが取り組んできた大企業や富裕層のための減税措置をはじめとするトリクルダウン理論に基づく政策の結果、企業や雇用の国外流出や地域コミュニティーの空洞化などさまざまな問題が生じ、「中間層がこの国を築き、労働組合が中間層を築く」という本来の在り方から離れてしまったと批判した。ミドルアウト(中産階級支援による購買活性化)とボトムアップ(貧困層支援による下支え)で成長する経済を構築することを決意して就任し、最初の2年間でこれまでのどの大統領よりも多くの雇用を増やしたと主張した。

雇用の質については、(1)インフラ投資雇用法に関しては創出される何十万の雇用が高賃金の仕事であること、(2)CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)によって拡大する半導体産業や、インフレ削減法で創出されるクリーンエネルギー産業などによって生み出される仕事は、労働者が家族を養える高収入な仕事であり、かつその多くは大学の学位が不要なものであることなどと言及し、質の高い雇用を生み出していると強調した。

これに加え、登録アプレンティスシップ(注)や技術教育プログラムへの投資を積極的に行い、全ての国民が米国の経済的繁栄に参加するのに必要な訓練や教育に確実にアクセスできるようにしていることや、労働者の健康と安全を守る措置を講じてきたこと、処方薬と医療の費用を下げることで経済的負担を軽減していること、引き続き労働組合を支援し奨励していくことなどに言及した。

(注)雇用主は将来の労働力を育成・準備でき、個人は有給の実務経験を積むことなどができる、米労働省などによって認可されるプログラム。

(加藤翔一)

(米国)

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