伊藤忠商事、「アウトドアプロダクツ」の販売開始

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年09月29日

伊藤忠商事は920日、バングラデシュの大手財閥企業BEXIMCO(ベキシムコ)が展開する小売りブランド「YELLOW(イエロー)」での同国初となる「OUTDOOR PRODUCTS(アウトドアプロダクツ)」商品の販売開始に際し、記念式典を行った。

伊藤忠商事は201211月、米国ブランドのアウトドアプロダクツのアジアや中東、南米など19カ国・地域での商標権を保有している。今回、アジアでのマスターライセンス権を保有している同社子会社の伊藤忠テキスタイル・プロミネント・アジアリミテッド(ITOCHU Textile Prominent ASIA Limited)が新型コロナウイルス禍の中でも中国市場をはじめ同ブランドの出店を進めてきたが、ブランド創設50周年に当たる2023年にバングラデシュ市場への参入を果たした。まずは輸入したバックパック製品を中心に、国内計20店舗のイエロー(小売店)で販売する。

記念式典でベキシムコのサイード・ナベッド・フサイン代表取締役社長は「バングラデシュでは、日本政府と企業によってマタバリ深海港の開発が進められており、今後の輸出に向けた物流の改善が期待できる。当社は商品の販売にとどまらず、小売り展開を通じて、バングラデシュのライフスタイルにインパクトを与えたいと考えており、今回の伊藤忠商事とのアウトドアプロダクツの販売開始に至った」と述べた。岩間公典駐バングラデシュ大使は「近年、日本企業がバングラデシュ市場にアプローチしつつある中、アウトドアプロダクツの展開を歓迎したい。後発開発途上国(LDC)卒業に向けて、日本・バングラデシュ間の対等なパートナーシップをビジネス面でも期待している」と話した。

伊藤忠商事ダッカ事務所の狩野哲郎所長は「今回のアウトドアプロダクツのバングラデシュ進出は、17,000万人の人口を抱える巨大な消費地バングラデシュへ向けての第一歩だ。そのブランドコンセプトはバングラデシュ国民のライフスタイルを豊かにすると信じている」と話す。同国では20237月、大手スポーツブランドのナイキ(Nike)が同国初となる同ブランド商品専門の販売店をダッカ市内中心部に出店した。今回のアウトドアプロダクツの展開は日本企業としては現在唯一のブランド展開となるため、一層の成長が期待される消費市場の動向に注目が集まっている。

写真 記念式典の様子(ジェトロ撮影)

記念式典の様子(ジェトロ撮影)

写真 イエロー旗艦店での商品の展示(ジェトロ撮影)

イエロー旗艦店での商品の展示(ジェトロ撮影)

(山田和則、安藤裕二)

(バングラデシュ)

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