中野倉庫運輸が米バージニア州に新倉庫を開設

(米国)

ニューヨーク発

2023年09月27日

中野倉庫運輸(本社:東京都中央区)の子会社で、カリフォルニア州ロサンゼルスに本社を置く米国中野倉庫は918日、バージニア州チェサピーク市の新倉庫の開所式を行った。オープニングセレモニーには、同州のグレン・ヤンキン知事(共和党)も参加した。

同社のプレスリリースによれば、78,400平方フィート(約7,283平方メートル)の延べ床面積を有する新倉庫は、常温倉庫で主に雑貨や機械部品を取り扱うほか、危険物などを扱う倉庫への改装も可能だ。また、同社が倉庫での保管、荷役、コンテナの積み替え業務であるトランスロード(注1)を行うほか、延べ床面積の半分以上を倉庫として貸し出す予定だ。同社は、同州への進出を決断した理由として、東海岸3位のコンテナ取扱量を誇るノーフォーク港、シカゴからノーフォークを結ぶ貨物鉄道拠点などの優れたインフラを挙げている。

写真 米国中野倉庫の新倉庫内での開所式の様子(同社提供)

米国中野倉庫の新倉庫内での開所式の様子(同社提供)

バージニア州は、全米のビジネス環境を評価するランキングでは常に上位に位置している。ビジネス専門メディアCNBCが発行する「ビジネスに最適な州」のランキングでは、2007年の同ランキング開始以来最多となる、5回の1位を獲得している。バージニア州経済開発公社(VEDP)によると、同州は(1)労働力の質と生産性に優れ、平均労災費用は全米で最低水準、(2)首都ワシントンに隣接し、政府の意思決定機関に対して迅速なアクセスが可能、(31日以内の車移動でアクセス可能な距離に米国人口の47%、2日以内の距離に75%が居住する地理的優位性、(4)同州南東部に、米国東海岸で3番目の規模を誇るバージニア港(注2)を有する、などのビジネスに有利な環境が整っているという。20234月には、ヤンキン知事が訪日し、同州のビジネス環境を自らアピールした。

同州は、日系企業の関係も深い。VEDPによると、前述の良好なビジネス環境を背景として、日本企業は直近5年間で325億ドル以上を同州に投資している。バージニア州における国別進出企業数では、日系は133社で1位となっており、13,100人の雇用を創出している。今回開所した米国中野倉庫の新倉庫により、進出日系企業にとってさらなる物流の円滑化がもたらされることが期待される。

(注1)最終目的地までに、ある輸送手段から別の輸送手段に商品を移すこと。

(注2)同港では、拡張工事プロジェクトが進行中で、水路深度55フィート(約17メートル)を有する米国東海岸唯一の港となる予定。

(樫葉さくら)

(米国)

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