8月貿易収支は242億ドルの赤字、10カ月ぶりの高水準

(インド)

ムンバイ発

2023年09月27日

インド商工省(MoCI)が9月15日に発表した「貿易統計」(速報値)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、8月の貿易収支(サービスを除く)は241億6,000万ドルの赤字で、38カ月連続の貿易赤字となった。赤字額は10カ月ぶりの高水準になった一方、前年同月比では減少した(添付資料図参照)。8月の輸出額は344億8,000万ドルで、前年同月比で約6.9%減少し、7カ月連続の縮小となった。輸入額は同5.2%減少の586億4,000万ドルで、8カ月連続で縮小した。

輸出額の内訳をみると、前年同月比で増加した項目として電気製品の21億7,260万ドル(前年同月比26.3%増)が挙げられる。一方、石油製品58億8,863万ドル(30.6%減)、宝石・宝飾品類25億9,986万ドル(21.9%減)、有機・無機化学品21億3,109万ドル(17.8%減)が減少し、輸出を押し下げた。

輸入額では、染料・なめし剤・着色剤9億9,991万ドル(前年同月比3.1倍)、化学製品・原料22億8万ドル(99.4%増)、金49億3,847万ドル(38.8%増)などが前年同月比で大きく増加した。一方、石炭・コークス・練炭類25億6,636万ドル(43.5%減)、有機・無機化学品21億6,818万ドル(26.7%減)、石油製品・原油・関連製品132億704万ドル(23.8%減)の減少が目立った。

世界的なインフレとそれに伴う金利引き上げが続く中、欧米と中国における需要の低迷が輸出額の減少に大きな影響を与え、貿易赤字の拡大につながっているとも報じられている(「ミント」紙9月15日)。

(丸山春花)

(インド)

ビジネス短信 b1507a740c7cb0fa