電子情報関連製造業、2023~2024年の年平均付加価値増加率を5.0%前後に設定

(中国)

北京発

2023年09月13日

中国の工業情報化部と財政部は9月5日、「電子情報関連製造業の2023~2024年における安定成長行動プラン」(工信部聯電子[2023]132号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

同プランでは、2023~2024年においてコンピュータや通信、その他の電子機器製造業の付加価値増加率は年平均5.0%前後、電子情報関連製造業における一定規模以上の企業の売上高は24兆元(約480兆円、1元=約20円)を超えることを目指すとした。そのほかに、2024年末までに中国の携帯電話市場における5G(第5世代移動通信システム)携帯電話の出荷台数シェアを85%以上、75インチ以上のカラーテレビの市場シェアを25%以上、太陽電池の生産能力を450ギガワット(GW)以上とする目標を掲げた。

目標達成に向け、同プランには、内需拡大、投資拡大、貿易基盤の安定、供給側の構造改革の深化と供給水準の向上、円滑な産業チェーン・サプライチェーンの確保、産業政策環境の最適化と改善に関する取り組みが盛り込まれた。

具体的には、内需拡大では、技術と製品形態のイノベーションによる携帯電話やパソコン、テレビなど伝統的な電子製品の消費を拡大する方針が示されたほか、バーチャルリアリティ(VR)、オーディオビジュアル産業、先進コンピューティング、衛星測位システム「北斗」の応用、新型ディスプレイ、スマート太陽光発電につき、新たな政策の研究と制定、新たな成長分野の育成加速に関する取り組みが挙げられた。

貿易基盤の安定では、電子機器業界の輸出構造改善を指導し、高付加価値製品の輸出割合を引き上げ、国際展示会への国内企業の出展を奨励、支援し、オンラインを含む海外市場の潜在力を深掘りすることが盛り込まれた。

供給水準の向上では、情報技術分野の重要なコア技術のイノベーションと反復作業を加速すること、パソコンや新型ディスプレイ、VR/AR(仮想現実/拡張現実)、5G通信、コネクテッドカーなどの重点分野に対しては、電子材料や電子専用設備、電子測量機器の技術的難題の解決を推進することが挙げられた。

工業情報化部電子情報司の楊旭東副司長は、中国の電子情報関連製造業の現状および同プランの制定につき、「2023年以降、電子情報関連製造業は全体として持続的な回復と構造改善の傾向をみせているものの、依然として需要低迷や先行き不安、成長鈍化などの課題に直面している」と指摘したうえで、「行動プランは今後2年間の安定成長に向けた措置を体系的に計画し、効果的な需要を拡大および供給水準を向上させる」と示した(「新華社」9月6日)。

(趙薇)

(中国)

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