第2四半期の実質GDP成長率、前期比マイナス2.2%

(ポーランド)

ワルシャワ発

2023年09月15日

ポーランド中央統計局(GUS)は8月31日、2023年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(季節調整済み)が前期比マイナス2.2%だったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料表参照)。第1四半期(1~3月)は前期比3.6ポイント増の1.6%と持ち直したものの、今期は再び前期比3.8ポイント減少した。前年同期比では再びマイナス成長を記録し、マイナス1.4%だった。

需要項目別にみると、国内需要は前期比0.4%減で、3期連続で低成長が続いているが、前期の1.0%減からわずかに回復した。個人消費は0.6%増と微増したが、政府消費支出は前期の13.8%増から1.0%増に大きく縮小した。総資本形成は1.7%減で、前期6.5%減より減少幅は縮小した。輸出と輸入はそれぞれ2.9%減、2.1%減で、前期に引き続き低下した。

産業別でみると、情報・通信は前期比2.4%増で、最大の伸びを見せた。建設、不動産はそれぞれ0.5%増、0.8%増と振るわなかった。前期好調だった運輸倉庫業は15.0%減で大幅に減少し、流通・自動車修理は2.6%減、製造業は1.4%減と落ち込んだ。宿泊業・飲食業は0.7%減でやや上振れしたが、4期連続でマイナス成長だった。

ポーランドの大手銀行PKO銀行が8月31日に発表したマクロ経済分析によると、ポーランド経済は2022年半ば以降、低成長しており、今期に底打ちした。2023年下半期に回復傾向を示し、プラス成長に転じるとの見方を示している。また、2023年通年でのGDP成長率予測を0.7%増と見込んでいる。

経済成長鈍化の要因として、続く高インフレによる内需低迷などが挙げられる。ポーランド中央統計局(GUS)によると、消費者物価指数(CPI)上昇率(前年同月比)は2023年2月をピークに毎月低下しており、8月は10.1%(速報値)だった。また、ポーランド国立銀行(NBP)は9月6日、政策金利を翌7日から6.75%から6.00%に引き下げると発表し、同行のアダム・グラピンスキ総裁は同日の記者会見で「ポーランドのインフレ率は既に1桁台に達している、9月はおそらく8.5%になるだろう」と発言した。

(ニーナ・ルッベ)

(ポーランド)

ビジネス短信 836fe4376edbb715