第2四半期の米貿易赤字は前期比17億ドル増、対中輸出減などが影響

(米国)

ニューヨーク発

2023年09月26日

米国商務省が9月21日に発表した、2023年第2四半期(4~6月)の貿易統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(国際収支ベース、季節調整済み)によると、輸出(財・サービス)は前期比3.2%減の7,449億ドル、輸入は2.3%減の9,484億ドルとなった(添付資料表1および図参照)。輸出の減少が輸入の減少を上回ったことから、赤字額は17億ドル増加し2,035億ドルとなった。財、サービスの内訳では、財が2,752億ドルの赤字、サービスが717億ドルの黒字だった。

財貿易をみると、輸出が前期比5.5%減の4,976億ドル、輸入が2.2%減の7,728億ドルとなった(添付資料表2参照)。輸出では、エネルギー関連製品、大豆、化学品(医薬品を除く)、輸入では、エネルギー関連製品、医薬品、家庭用品(携帯電話を含む)などが押し下げ要因となった(添付資料表2参照)。

輸出入ともに押し下げ要因となったエネルギー関連製品の減少は、原油価格の下落が影響した。第2四半期の平均原油価格(WTIスポット)は、前期比3.0%減少し、1バレル当たり73.76ドルとなった。2022年第3四半期以降、4期連続で下落した。

輸入首位は3四半期連続でメキシコ

財貿易を主要国・地域別にみると、輸出では、中国が前期比14.7%減357億ドルとなり、最大の押し下げ要因になった(添付資料表3参照)。次いで、メキシコが6.9%減の773億ドル、EUが4.6%減の915億ドルとなった。輸入では、EUが前期比5.2%減の1,407億ドルとなり、最大の押し下げ要因になった。次いで、カナダが5.8%減の1,037億ドル、中国が3.8%減の1,074億ドルと押し下げた。

対中貿易は、輸出の減少が輸入の減少を上回り、赤字額は718億ドルとなった。中国からの輸入は2003年第1四半期以降、2020年第1四半期を除き、国別ではメキシコを上回り首位が続いていたが、2022年第4四半期からはメキシコが再び首位となり、それ以降その差は広がる傾向にある。対日貿易も同様に、輸出の減少が輸入の減少を上回り、赤字額は増加した。

なお、9月6日の商務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、7月の輸出(財・サービス)は6月より39億ドル増加し2,517億ドル、輸入は52億ドル増加し3,167億ドルとなった。輸入の伸びは消費財が押し上げた。ブルームバーグ(9月6日)は、家計需要の回復により、小売業者は海外サプライヤーとの注文を増やす傾向があると指摘し、小売業者が年末商戦に向けて準備を進めているため、輸入量は今後数カ月でさらに増加する可能性があるとみている。

(大原典子)

(米国)

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