西村経産相が訪英、「日英戦略経済貿易政策対話」を実施

(英国、日本)

ロンドン発

2023年09月07日

西村康稔経済産業相は9月6日、英国を訪問し、ケミ・ベイデノック英ビジネス・通商相と第1回「日英戦略経済貿易政策対話」を実施外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。対話には、英国の科学・イノベーション・技術省およびエネルギー安全保障・ネットゼロ省も参加。5月に広島で開催されたG7サミットにおいて、両国間で合意した「強化された日英のグローバルな戦略的パートナーシップに関する広島アコード(日英広島アコード、2023年5月19日記事参照)」に基づき、相互の関心に関する戦略的機会や課題において日英協力をさらに強化するため本対話を創設。閣僚らはこれを歓迎するとともに、対話の継続開催を決定した。

今回の対話に基づき、英国の環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、注)加入への正式署名を受けた同協定の高い基準の維持における協力、重要鉱物サプライチェーンやクリーンエネルギー強化、スタートアップ支援での連携など、貿易・投資、エネルギーおよびイノベーションに関する共同声明を発表した(添付資料表参照)。

貿易・投資に関して、今回の対話に合わせ、日本貿易保険(NEXI)と英国輸出信用保証局(UKEF)が協力関係強化に関する覚書を締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。アフリカやインド太平洋地域、ウクライナなど第三国におけるインフラプロジェクトへの金融支援での協力も強化する。

また、エネルギーに関しては同日、日本原子力研究開発機構(JAEA)と英国立原子力研究所(NNL)が高温ガス炉の実証炉開発プロジェクト(2023年7月21日記事参照)に関する覚書を締結した。

また西村経産相は同日、国際戦略研究所(IISS)で「進化のための新たな日英同盟PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」と題するスピーチを行った。スピーチではまず、法の支配に基づく国際秩序の重要性を強調。また、英国のCPTPP加入をあらためて歓迎した。自由で公正な経済圏の構築に向け、地政学的にも非常に大きな意義があると評価。さらに、公正な競争実現に向けては、持続可能な方法で生産された重要な商品の需要を喚起する新たな産業政策の検討が必要と述べた。これには大胆な購入奨励策や、政府調達における優遇措置を含むとし、英国のほか、米国やEUなど同じ考えを持つ国々に協調を呼びかけた。

(注)CPTPPについてはジェトロ「TPP11解説書PDFファイル(14.3MB)」も参照。

(菅野真)

(英国、日本)

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