ベトナム中銀、ASEAN地域の決済連結性協力に参加

(ASEAN、ベトナム、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン)

バンコク発

2023年09月11日

ベトナムの中央銀行のベトナム国家銀行(SBV)は8月25日、ASEAN5カ国の中銀が締結するASEAN地域内の決済連結性(PRC)協力に関する覚書に加わった。タイ中央銀行(BOT)が同日にリリースした共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで明らかになった。

PRC協力覚書は2022年11月にインドネシアのバリ島で締結されたもので、署名したASEAN加盟国間で、より迅速で透明性が高く、手数料の低いクロスボーダー決済を目指すもの(2022年11月22日記事参照)。QRコードや即時支払いシステムなどを用いたクロスボーダー決済を含み、ASEAN地域全体で個人や企業間で簡単に取引できる環境の実現を目標とする。

タイはインドネシア、マレーシアと現地通貨建て取引を促進

また、タイBOTは8月25日、インドネシア中銀、マレーシア中銀との間で、2国間取引での現地通貨使用の促進に向けた協力を強化する覚書を締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これは貿易・投資に限らず、さまざまなクロスボーダーでの取引で、現地通貨同士の決済を拡大しようという機運を高めるもの。域内の金融市場を安定化させ、署名国間での為替市場の連結性を深めようとする狙いがある。

近年、ドルの為替相場の変動が激しいことから、ASEAN域内の取引が多い日系企業の間でも、ドルを介さない現地通貨建ての取引拡大を望む声がある。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(ASEAN、ベトナム、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン)

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