米ウェイモ、自動運転車はドライバーより安全との調査報告を公開

(米国、スイス)

調査部米州課

2023年09月12日

米国のウェイモとスイス大手再保険会社のスイス・リーは9月6日、ウェイモの自動運転車は人間のドライバーの運転よりも大幅に安全、との調査報告を公開外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。カリフォルニア州サンフランシスコおよびアリゾナ州フェニックスでの380万マイル(約608万キロ)を超える無人自動運転走行において、人身事故発生がゼロで、物損事故が大幅に減少したとしている。

自動運転の研究者らの間で、自動運転は人間のドライバーより安全かどうかが問いかけられる中、自動車産業はこれを比較するため、熟練ドライバーの運転能力指標を開発しなければならないという課題に直面してきた。ウェイモらのこの調査は、ウェイモの自動運転車に関する賠償請求データと、スイス・リーが設定した走行距離および郵便番号別に分類された人間が運転する車のデータを比較した。比較した走行距離は1,250億マイル、保険請求は60万件に及ぶ。

この調査の結果、ウェイモの自動運転車は人間による運転と比較して、物損事故で76%の大幅な減少(100万マイル当たり3.26件の請求から0.78件の請求へ減少)していることが判明した。さらに、人身事故は100万マイル当たり1.11件の請求が0件になっていることも判明した。

ウェイモの安全責任者のモーリシオ・ペニャ氏は「当社の自動運転車は、われわれが運行している都市ですでに安全性を改善している」「最先端の調査は、サンフランシスコやフェニックスでの人身事故を現在減らしているという、確かな証拠を提供している」と述べた。

スイス・リーの損害保険ソリューション部門責任者のルイジ・ディ・リロ氏は「この世界初の調査は自動運転車の安全性にまつわる力学を明らかにするだけでなく、再保険業界がこの新しい技術の受容を後押しする保証と支援をどのように提供できるかを、明確にするのに役立つ。自動運転車と人間の運転する車両を比較するニーズは長年存在し、これを提供することが可能になった」と述べた。

(見並一明)

(米国、スイス)

ビジネス短信 5eb0980513ee1fc6