第2四半期の実質GDP、予想上回る前年同期比3.8%の成長

(トルコ)

イスタンブール発

2023年09月11日

トルコ統計機構(TUIK)の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます831日)によると、2023年第2四半期(46月)の実質GDP成長率は、市場予測を上回る前年同期比3.8%だった。季節・日数調整後の成長率(前期比、年率換算)では3.5%と大幅な成長を見せている。また、ムーディーズは、2023年のトルコの成長予測を2.6%から4.2%へ大幅に上方修正している(20238月末時点)。

2四半期の成長率を支出項目別にみると、GDPの最大項目の家計最終消費支出は前年同期比15.6%と、第1四半期(13月)からは減退したが、季節・日数調整後の前期比では5.2%で、前期の同3.0%から増加している。高騰が続くインフレに対する民間の自己防衛と、5月に行われた大統領選挙に向けた政府の景気刺激策が民間消費を過熱させたとみられる。また、民間投資を含む総固定資本形成は、震災復興が続いていることから建設部門が好調だったとみられ、前年同期比で5.1%と伸びた。

輸出は、ロシアのウクライナ侵攻などに伴う欧州などの主要市場の減速が続いており、前年同期比9.0%減、輸入は、消費需要の高まりや通貨リラ安などもあり、同20.3%増と、純輸出のマイナス寄与は拡大した。

生産部門別にみると、サービスが前年同期比6.4%のプラス成長と好調だった。建設も同6.2%で、2022年第4四半期(1012月)からの回復傾向が続いている。農業は同1.2%増で、前期のマイナスからプラスに転じた。他方、工業は同2.6%減と伸び悩んでおり、製造業も同1.9%減だった。

(中島敏博)

(トルコ)

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