7月の小売売上高は前年同月比16.5%増

(香港)

香港発

2023年09月15日

香港特別行政区政府統計処は8月31日、7月の小売売上高(速報値)を前年同月比16.5%増の329億9,900万香港ドル(約6,204億円、1香港ドル=約18.8円)と発表した(添付資料図参照)。8カ月連続で前年同月比プラスとなった。

同月の小売売上高のうち、オンライン販売額は前年同月比1.4%増の22億5,700万香港ドルで、全体の6.8%を占めた。

品目別にみると、増加幅が最大だったのは「衣類、靴および関連製品」で、前年同月比35.6%増の44億9,300万香港ドルだった。次に「宝飾、時計および高級贈答品」が同19.8%増の49億5,200万香港ドルと続き、8カ月連続でプラスの伸びを示した。「食品、酒類、たばこ」(注1)は3.1%増の26億5,400万香港ドルだった。

一方で、「燃料」は20.3%減の8億8,300万香港ドルと、4カ月連続でマイナスとなった。

業態別にみると、「百貨店」は25.6%増の28億7,400万香港ドルに増加した。前月まで7カ月連続のマイナスを示していた「スーパーマーケット」(注2)は0.05%未満の減少となるため、前年同月比は示されておらず、売上金額は45億2,300万香港ドルだった(添付資料表参照)。

香港政府報道官は7月の小売売上高について「来港観光客の増加と前向きな消費者心理に伴い、明らかに改善を続けている」と指摘した。今後の小売売上の見通しについては「インバウンド観光客の復活によって今後も引き続き増加し、域内消費は労働環境の改善や政府の景気回復のための消費支援策によって下支えされるだろう」と述べた。

香港小売業管理協会の執行総監の羅振邦(ボンド・ロー)氏は「今後の小売上高は、中国の中秋節と国慶節の連休(9/29~10/6)に来港する中国本土からの旅行客数や域内居住者の旅行客数によって左右されるだろう」とコメントした(「サウスチャイナ・モーニングポスト」9月1日)。

(注1)スーパーマーケット以外での売上高。

(注2)百貨店内のスーパーマーケット部門の売上高は含めない。

(横田覚)

(香港)

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