選挙請願裁判所、ティヌブ大統領当選を支持する判決

(ナイジェリア)

ラゴス発

2023年09月15日

ナイジェリアの大統領選挙請願裁判所は9月6日、2月25日の選挙で当選したボラ・ティヌブ大統領の選挙結果(2023年3月1日記事参照)を支持する判決を下した。この裁判は、大統領選挙で争った労働党(LP)のピーター・オビ氏や、人民民主党(PDP)のアティク・アブバカル氏らが選挙結果に異議を唱え、独立国家選挙管理委員会(INEC)、ティヌブ大統領、カシム・シェティマ副大統領、全進歩会議(APC)を訴えて、8月1日に最終弁論が行われていた。申し立ての内容は、得票に対する異議や、選挙規定で25%以上の得票率が必要とされるアブジャ首都特別地区でティヌブ氏が条件を満たさなかったこと、ティヌブ氏やシェティマ氏の候補者資格、INECによる選挙結果がINEC選挙結果閲覧(iREV)ポータルに電子的手段で送信されておらず、選挙基準を満たしていなかったのではないかなどの疑義だった。

同裁判所では、労働党の得票数が最多だったという訴えについて、ティヌブ氏の集計が逆に示されなかったことから、同氏の得票数が水増しされたとする証拠は不十分だとした。また、アブジャ首都特別地区の得票率25%規定については、同地区がほかの35州よりも特別な地位にあるべきではないと判断し、訴えを却下した。電子的手段による結果送信の義務規定は法律上に明記されていないとした。ティヌブ氏やシェティマ氏の候補者資格も認め、5人の判事はティヌブ氏の大統領当選を支持した。

労働党のオビ氏と人民民主党のアティク氏は、支持者に冷静な対応を求めつつ、この裁判結果に同意できないとして、最高裁判所に訴えるとしている。

(奥貴史)

(ナイジェリア)

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