第2四半期GDP成長率、EUは前期比0.0%、ユーロ圏は0.1%
(EU、ユーロ圏)
ブリュッセル発
2023年09月12日
EU統計局(ユーロスタット)は9月7日、2023年第2四半期(4~6月)のEU27カ国の実質GDP成長率(季節調整済み)は、前期比0.0%と発表した(プレスリリース、添付資料表1参照)。ユーロ圏20カ国の実質GDP成長率は、前期比0.1%となった。
EUのGDP成長率(前期比)を需要項目別でみると、個人消費は0.0%と前期から横ばいだったものの、政府消費支出は0.2%増(前期:0.1%減)、総固定資本形成は0.4%増(前期:0.0%)とわずかにプラスに転じた。一方、輸出は0.7%減(前期:0.1%増)で、GDP成長率への寄与度はマイナス0.4ポイントとなった。輸入は0.2%減(前期:1.4%減)だった。
EUのGDP成長率(前期比)を国別でみると(添付資料表2参照)、前期に比べてマイナス成長の加盟国が増えており、ポーランドがマイナス2.2%、スウェーデンがマイナス0.8%など9カ国でマイナス成長となった。一方、リトアニア(2.9%)やスロベニア(1.4%)などの5カ国では1.0%以上の成長率となった。EU主要4カ国では、フランス(0.5%)とスペイン(0.4%)がプラス成長を維持し、ドイツは0.0%と3四半期ぶりにマイナス成長から脱した。イタリアはマイナス0.4%で、前期のプラスからマイナス成長に転じた。
雇用の拡大は減速
2023年第2四半期のEUとユーロ圏の雇用者数の伸び率(前期比)をみると、EUとユーロ圏でそれぞれ前期比0.1%増、0.2%増となった(添付資料表3参照)。国別では、エストニア(1.5%減)、ルーマニア(0.8%減)、クロアチア(0.7%減)などの7カ国で雇用者数が減少した。1.0%以上の増加となった加盟国は、リトアニア、マルタ、ポルトガル(いずれも1.3%増)、チェコ(1.0%増)の4カ国だった。
なお、ユーロスタットが8月31日に発表したEU全体とユーロ圏の2023年7月の失業率(季節調整済み)は前月から横ばいで、それぞれ5.9%、6.4%となった。
(大中登紀子)
(EU、ユーロ圏)
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