国際モーターショー「IAAモビリティ2023」、ミュンヘンで2回目の開催

(ドイツ、日本、中国)

ミュンヘン発

2023年09月12日

国際モーターショー「IAAモビリティ2023外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が9月5~10日にドイツのバイエルン州ミュンヘン市で開催された。「IAA」は、1951年から通称「フランクフルト国際モーターショー」としてフランクフルトで開催されてきたが、2021年にミュンヘンで初開催し(2021年9月14日記事参照)、今回が2回目の開催となった。

2021年と同様、今回も、以前のモーターショーから、モビリティ(移動手段)のプラットフォームというコンセプトを打ち出した。具体的には、展示会場はBtoB専用の有料見本市とする一方、ミュンヘン市中心部8カ所に「オープンスペース」と呼ばれる屋外会場を設けた。「オープンスペース」では、フォルクスワーゲン(VW)やBMWなどの自動車メーカーが、市民向けに電気自動車(EV)などを展示したほか、子供が遊べる施設を用意したり、ミニコンサートを開催したりするなどし、市民が気軽に訪問できる環境を整えた。また、市民が未来のモビリティの姿を議論するイベントや、EV、電動のバイクや自転車に試乗できるコーナーも設けた。有料見本市は9月5~8日の平日開催だったのに対し、「オープンスペース」は週末も含む10日までの6日間の開催とし、週末に家族連れでも訪問できるかたちとした。

主催者発表によると、「IAAモビリティ2023」への訪問者数は50万人以上。うち、週末の9日だけで、「オープンスペース」に10万人以上の訪問があったという。

また、主催者発表によると、今回の「IAAモビリティ」には、38カ国から671企業・団体の出展があった。ドイツからは、主要自動車メーカーであるBMW、メルセデス・ベンツ、VWのほか、主要自動車部品メーカーのボッシュ、シェフラー、コンチネンタルなども出展した。前回の出展者数は744企業・団体だったため、出展者数は前回を下回った。前回は新型コロナウイルス感染拡大防止のためのロックダウン直後の開催で、当時、他国からの出展が難しいケースもあったことを考慮すると、実質的には出展者数が伸び悩んだ可能性がある。

出展者数671企業・団体を国別にみると、最大勢力はドイツの348企業・団体で全体の51.9%。それに次ぐのが中国の45社で全体の6.7%を占めた。日本からは2社にとどまった。日本からの申し込みに計上されていないものの、デンソー、椿本チエイン、積水化学などの日系企業の出展もあった。中国企業は出展者数に加えて、一部企業が大規模に出展することで、出展者数以上のインパクトを与えた。象徴的なのが中国EV大手の比亜迪(BYD)で、展示会場と「オープンスペース」のいずれにも大規模ブースを出展した。

写真 ミュンヘン市内8カ所に「オープンスペース」を設置(ジェトロ撮影)

ミュンヘン市内8カ所に「オープンスペース」を設置(ジェトロ撮影)

写真 ドイツ自動車大手が出展(ジェトロ撮影)

ドイツ自動車大手が出展(ジェトロ撮影)

(高塚一)

(ドイツ、日本、中国)

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