ジェトロ、英医療イノベーション促進機関と日系企業のマッチング実施

(英国、日本)

ロンドン発

2023年09月01日

ジェトロは7月28日、英国ケンブリッジに拠点を置く医療分野のイノベーション促進支援を担う英政府系機関Eastern AHSN(Academic Health Science Network)でイベントを実施。日本企業と海外企業のオープンイノベーション創出を支援する「J-Bridge」の一環として、医療分野のオープンイノベーションに関心のある日系企業と同機関のマッチングを行った。対面でのセッションを通じて、ビジネス創出に向けた双方の理解や、ビジネス機会の可能性探索を実施。今回、日系企業として横河電機のバイオ事業拠点Yokogawa Innovation Switzerland(スイス)と、アステラス製薬の欧州本社Astellas Pharma Europe(英国)の2社が参加した。

まず、Eastern AHSNが同組織の概要を説明。同機関は英国政府と国営医療サービス(NHS)によるバックアップを受け、ケンブリッジを含むイングランド東部の医療分野イノベーションの創出や展開を支援している。同組織の強みとして、NHSを含む英国内の医療セクターに関する強固なネットワークを有し、新技術開発のライフサイクルに応じて、臨床試験などのアーリーステージから、商用化まで幅広く支援できるとしている。英国の医療研究や医療ビジネスのバリューチェーンに関わりが深く、段階に応じて必要なアドバイスや適切な担当者紹介をすることができるとアピールした(添付資料図参照)。

その後、横河電機、アステラス製薬の両社担当者がそれぞれの医療分野のイノベーション事業や海外事業について、Eastern AHSNに説明。ディスカッションを通じて相互の理解を進めた。

参加した2社からは、Eastern AHSNが持つ研究機関をはじめとする幅広いネットワークにも魅力があるとのコメントがあった。また、大学や医療機関、大手製薬会社が立地し、最先端の知見が集積するケンブリッジで幅広いサポートを展開する同組織とネットワークを構築できたことに意義があるとの声もあった。

今回の結果を踏まえ、2社はともに同機関のネットワークを通じて、関連する担当者と引き続きディスカッションを重ねていく予定。また、ジェトロとしても、引き続き同機関と連携し、医療分野に関するイノベーションに興味を持つ日系企業を、双方の事業ニーズに応じて適宜マッチングを実施していく。

写真 イベントで説明するEastern AHSN担当者(ジェトロ撮影)

イベントで説明するEastern AHSN担当者(ジェトロ撮影)

(菅野真)

(英国、日本)

ビジネス短信 25905d8ae55250bb