イランと米国が「囚人交換」、米国はイランの資産凍結を一部解除

(イラン、米国)

テヘラン発

2023年09月20日

イラン外務省は9月18日、「米国によって不法に訴追されたイラン国民5人が解放され、家族の元に返された」と発表した。同時に、「米国の不法な圧力によって封鎖され、長年活用できなかった韓国にあるイランの資産が、イラン外務省と韓国政府による努力によって解放され、1週間にわたる手続きを経て、カタールにあるイランの口座に送金された」とし、「今後、この資産はイランのニーズと優先順位に基づいて活用される」と発表した(9月18日付イラン外務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

外務省のナセル・キャンアーニー報道官は同日の記者会見において、イブラヒーム・ライーシー大統領と代表団が国連総会に出席するためにニューヨークに向かったとし、同大統領は総会での演説に加えて、各国の首脳とも会談する予定だと述べた。また、イラン核合意「包括的共同行動計画(JCPOA)」の全ての当事者が、責任をもって合意に復帰するために対話をすることに制限はなく、ニューヨークで交渉することは可能だとし、「われわれはこの機会を活用するつもりだ」と述べた。さらに、同報道官は(米国による経済)制裁について、「われわれは制裁解除の道と並行して、制裁の無力化を真剣に継続していく」と述べた〔9月18日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

一方、米国側も、ジョー・バイデン大統領が同日、「イランで投獄されていた5人の無実の米国人が帰国の途についた」と発表した。同大統領は、イランとの交渉を仲介したカタールのタミーム・ビン・ハマド首長とオマーンのハイサム・ビン・ターリク国王に「特別な感謝の意を表する」とした(9月18日付米ホワイトハウス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、アントニー・ブリンケン国務長官は同日の記者会見でイランの凍結資産解除について聞かれ、「今回、われわれの行動によりイランが利用できるようになったイランの資産は、人道目的にのみ使用されると確信しており、われわれはそのための手段とメカニズムを持っている」と述べた(9月18日付米国務省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、米国)

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