北米最大の金属加工関連「ファブテック」展開催、目立つ自動化や軽量化の展示

(米国、日本)

シカゴ発

2023年09月22日

金属成形、加工、溶接、仕上げに関する北米最大の展示会である「ファブテック(FABTECH)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが9月11~14日、米国シカゴ市にある全米最大の展示会場マコーミック・プレイスで開催された。同展は毎年開催されているが、シカゴで開催されるのは新型コロナウイルス感染症下で行われた2021年以来だ。主催者の発表では、今回の参加者は約4万5,000人、出展者は約1,600で、2021年の参加者約2万5,300人、出展者数約900からほぼ倍増し、コロナ禍前のにぎわいを取り戻した。

写真 コロナ禍前の活気を取り戻したファブテック会場(ジェトロ撮影)

コロナ禍前の活気を取り戻したファブテック会場(ジェトロ撮影)

会場は、仕上げ、3D/積層造形、成形および加工、金属フォーム、仕上げ、チューブおよびパイプ、溶接、溶接自動化、ロボットと産業オートメーションに分かれ、小規模な企業から大手メーカーまでが参加し、多様な技術が紹介されていた。その中でも、近年拡大しつつある人協働ロボットを活用した溶接の自動化や、EV(電気自動車)に対応する素材の軽量化に関する溶接技術の紹介などが目を引いた。

また、技術者人材の育成に関する出展も多く、例えば本イベントの共同パートナーの1つである米国溶接協会(American Welding Society:AWS)では、関連する分野での奨学金の対象者の紹介やポスターセッション、教育イベントが実施されていた。ファブテックの会場では若者の姿も見られ、これら業界の魅力の発信につながっていることが感じられた。

ファブテック出展の日本の中堅・中小企業向けに商談アレンジ

ジェトロは、ファブテックに出展した日本の中堅・中小企業を対象に、現地展示会場でのバイヤーとの商談アレンジなどを支援した。6社の支援企業とバイヤーの間では製品や技術などに関する説明や質疑応答などが活発に行われ、参加企業からは「これまでアピールすることが不可能だった企業に自社を紹介することができた」「今回のような商談アレンジの支援は非常にありがたい」といった意見が寄せられた。

次回ファブテックは、2024年10月15~17日にフロリダ州オーランドのオレンジカウンティコンベンションセンターで開催される予定。

(川崎健彦)

(米国、日本)

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