JUKIがGJ州に工業用ミシンの製造輸出拠点を新設

(インド)

アーメダバード発

2023年09月07日

JUKI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは9月1日、インド西部のグジャラート州(GJ州)アーメダバード市郊外のマンダル日本専用工業団地内に、新たに工業用ミシンの生産工場を設置することを発表した。同拠点は、カルナータカ州ベンガルールにあるJUKIインディアの生産部門として、2024年6月の操業開始を目指す。

同社は、2023年から始動した「中期経営計画」において、サプライチェーンの分断リスクに対応した生産体制の再構築に取り組んでいる。日本、中国、ベトナムに加え、インド新工場で工業用ミシンの生産を行い、より柔軟な生産体制を構築する。

同社によると、近年、南西アジアや中近東・アフリカにおいて、工業用ミシンの需要増が加速しており、インドでの新工場稼働により生産面での対応力を強化することで、これら成長市場の顧客ニーズに即応することが狙いだ。GJ州への進出は、産業基盤の良さのみならず、インド国内市場、およびインド以西の市場を視野に入れた場合に地理的優位性があることも勘案し、決定されたという。

GJ州はインド最西端に位置し、かつてナレンドラ・モディ首相が13年にわたって州首相を務めていた間に、投資誘致の基盤となる産業インフラの整備を進めた。電力、港湾、道路、鉄道などの整備が進み、その質の良さには定評がある。インドの工業生産の18%程度を担う国内随一の工業州として、自動車・二輪、石油化学、機械部品、製薬、繊維などの幅広いクラスターが存在しており、最近では半導体製造クラスター構築の動きに注目が集まっている。これらの産業基盤を背景に、同州はインド国内市場向けの主要製造拠点としてのみならず、中近東・アフリカ、欧州など西方市場に向けた製造輸出拠点としての優位性が指摘されている。

(古川毅彦)

(インド)

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