顔認証技術の使用に関する意見募集稿を発表

(中国)

北京発

2023年08月09日

中国の国家インターネット情報弁公室は8月8日、「顔認証技術使用の安全管理規定(試行)意見募集稿外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。顔認証技術の使用基準を定めることで、個人情報および個人の財産と権益を保護し、社会秩序と公共の安全を維持することを目的としている。意見募集は9月7日まで。

意見募集稿では、特定の目的があり、十分な必要性と厳格な保護措置が講じられている場合に限り、顔認証技術により収集した顔情報の使用を認めるとしている。さらに、生体認証以外の技術で同じ目的や業務プロセスを満たすことができる場合は、その方法を優先して選択することを求めている。

顔認証技術を使用し顔情報を取り扱う場合には、個人による個別の同意、または法令に基づいた書面による同意を得なければならないとした。また、法的条件の充足や個人の同意を得ることに加え、顔認証技術の使用者は、匿名化された顔情報を除き、オリジナルの画像、写真、動画を保存してはならないとしている。目的と無関係な顔情報の収集を避けるべきで、避けられない場合は適時削除または匿名化処理を行うべきともしている。

管理面に関する条項としては、顔認証技術の使用者は事前に個人情報保護影響評価(PIA)を実施し、その記録を3年以上保管する必要があるとしている。また、顔認証技術の使用者は、画像収集設備や個人識別設備の安全性と想定されるリスクについて、毎年検査と評価を実施し、セキュリティー体制を改善するよう求めている。さらに、公共の場で顔認証技術を用いる、または1万人を超える顔情報を保存する場合、30営業日以内に所在地の市レベル以上のインターネット情報部門へ顔情報の必要性や目的、処理方法、管理体制などを基に申請が必要としている。

中国は2021年11月の個人情報保護法の施行(2021年8月26日記事参照)以降、データ関連規制の強化を進めている。

(亀山達也)

(中国)

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