電子製品消費促進策を発表、リサイクルや物流体系の改善図る

中国の国家発展改革委員会と工業情報化部などは7月24日、「電子製品の消費促進に関する若干の措置」を発表した（文章は7月20日付）。同措置では、電子製品を消費の重要項目に位置づけ、近年では「単なる保有」から「優れた製品の保有」を望むアップグレード消費需要の潜在力が旺盛な一方、機器交換サイクルの延長やリサイクル体系が整っていないなどの課題もあると指摘した。その上で、高品質な供給体系の構築、電子製品の消費の最適化、安定した消費の拡大などを目的に次の施策を打ち出した。

（1）電子製品の技術革新を加速。イノベーションと産業高度化を進め、電子製品の消費を促進する。国産人工知能（AI）技術を積極的に活用することで、電子製品の知能レベルを高める。関連企業に対しては、ホームセキュリティーやスマートキッチン、AIを活用した寝室や浴室環境の改善など、新しい家電のかたちを提供し、電子製品消費の新しい場面を築くためのビジネスモデルの革新を奨励する。音声認識技術への投資を増やし、「音声制御と認識機能」を最適化することで、利便性を向上させ、農村や高齢者に対するバリアフリー化を図り、電子製品の使用に対する障壁を取り除く。

（2）電子製品の農村部への展開支援。条件を満たす地域でグリーン・スマート家電の買い替え補助金の提供を可能とする。農村部のクリーン暖房を推進し、農村部の電化率と再生エネルギー比率を高める。太陽光熱温水器や家庭用電力貯蔵機器などの普及と活用を各地域の状況に応じて支援する。また、農村部で家電販売とサービス網を改善し、流通の効率化を促進することで、大型家電の流通や修理のコストを削減する。その他、電子商取引（EC）プラットフォームにグリーン・スマート電子製品の専用ページを設置し、ポイント還元や信用評価によって消費者にグリーン・スマート製品の購入を促す。

（3）リサイクルプロセスの標準化。トレーサビリティー制度を実施するほか、中古品販売業者に対する監督と検査を継続的に強化し、関連情報を適時開示する。また、電子製品の違法解体や、中古部品の違法流通の取り締まりを強化する。「インターネット＋リサイクル」モデルを積極的に推進し、個人のリサイクルに係るコストを段階的に低減させる。

（4）電子製品消費環境の最適化。電子製品での個人情報保護政策を厳格に実施し、業界標準の整備を加速させる。また、品質基準制度の改善、グリーン・スマート家電の国家標準の策定を継続的に推進する。スマート電子製品の健全な標準体系の構築を加速し、異なるブランドの相互接続を実現させる。

また、今回の措置では最後に、国家発展改革委員会は関連部門と協力し、電子製品消費の持続的な回復を促進するため、早期に政策効果が表れるよう推進するとした。

（亀山達也）