エルニーニョ現象によるコーヒーなど農業生産への影響を警戒

(コロンビア)

ボゴタ発

2023年08月04日

世界気象機関(WMO)が74日にエルニーニョ現象の発生を発表したことを受け、コロンビアでは、高温・干ばつによるコーヒーなど農作物への影響に対する警戒感が高まっている。政府は75日、異常気象に備えたロードマップを作成中と発表した。

スサナ・ムアマド環境相が75日、「ポルタフォリオ」紙に語ったところによると、コロンビアで中程度の影響が出る確率は83%、強度の影響は53%だが、政府はそのいずれにも対応するロードマップを準備している。また、不確実性があるものの、2023年第4四半期(1012月)に最も影響を受けるのはアンデス地域、カリブ海地域だとしている。

気象庁(IDEAM)が721日に発表した気候予測報告書では、カリブ海地域の北部とアンデス地域の一部の810月降水量が例年に比べて10%から20%減少するとの見通しを報告している。IDEAMは、今後6カ月の国内の平均気温が例年より0.52.5%上昇するとの見通しも示した。

612日付「ポルタフォリオ」紙によると、全国コーヒー連盟(FNC)は、日照時間が適度に増加すると光合成が活発化し、開花や実の熟成がより短期間で行えるという利点がある一方、害虫のライフサイクルを活発化させる原因にもなるとコメントしている。さらに、水不足が懸念される地域では、干ばつが厳しくなる前にコーヒーの木にできるだけ多くの栄養分を吸収させる必要があると指摘している。全国米生産者同盟(Fedearroz)のラファエル・エルナンデス会長は「高温や干ばつに強い品種の作付けを推進している。高温により河川流量が減少し、水が利用できなくなることが懸念される」と話している。

(アンドレス・ゴンサレス)

(コロンビア)

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