インドネシア・中国首脳会談、経済・貿易など8分野で協力
(インドネシア、中国)
ジャカルタ発
2023年08月07日
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は7月27、28日に中国四川省成都を訪問した。27日は習近平国家首席と会談し、一帯一路や新首都開発など8つの分野で合意した。また、28日は在中国インドネシア商工会議所(INACHAM)や中国企業幹部らと面談し、「インドネシアは電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、新首都ヌサンタラへの投資を優先している」と述べつつ、インドネシアへの投資を呼びかけた(インドネシア内閣官房プレスリリース)。
7月27日に実施された首脳会談では、両国間の保険・貿易・経済分野などにおける協力についての協議を実施し、両首脳は8つの分野で今後協力を実施する合意に達した。ルトノ・マルスディ外相によると、8つの分野は1.保険分野での協力、2.コンニャクイモ(学名:Amorphophallus muelleri)由来商品にかかる農産物市場へのアクセス、3.インドネシアから中国へのタバシールパウダー(注1)にかかる輸出、4.植物・海洋産業分野にかかる研究開発、5.新首都ヌサンタラ開発にかかる知識と経験の共有、6.2国間ツインパーク(TCTP)(注2)にかかる産業開発協力、7.経済・技術協力、8.中国語教育とされている。国営アンタラ通信をはじめ、デティックなど複数のメディアが伝えた。
中国ガラス大手の信義グループ、インドネシアへ115億ドルを投資
ジョコ大統領は28日、中国ガラス大手の信義グループのインドネシアへの投資にかかる投資省との覚書(MoU)調印式に同席した。バフリル・ラハダリア投資相によると、信義グループはインドネシアに豊富に存在する珪砂(けいしゃ)の川下産業を発展させるために115億ドルの投資を決めたとされている。また、バフリル投資相は「信義グループはリアウ諸島州バタム市レンパン島でガラスと太陽光パネルの製造工場を建設し、95%は輸出用に生産することになるだろう。信義グループは世界のガラス市場の26%を占めているところ、インドネシアの石英の埋蔵量は信義グループにも大きな可能性をもたらす」とした(「ジャカルタ・ポスト」7月31日)。
(注1)タバシールは、竹の表面を傷つけることで出てくる液体。主成分はシリカやカリウム、水で、燃焼して水分を飛ばすと純度の高いシリカ成分が残るとされている。
(注2)『2国間ツインパーク(TCTP)』は、インドネシア-中国間の貿易と投資を急速に促進することを目的とした国家的優先プロジェクトの1つ。両国に総合産業パークを設立し、戦略的パートナーシップを深め、中国の「一帯一路」構想(BRI)とインドネシアの「グローバルな海洋軸(GMA)」構想の連携を深めることを目指している。(在北京インドネシア大使館プレスリリース)。
(八木沼洋文)
(インドネシア、中国)
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