2023年4~6月のGDP成長率は4.3%、通年目標の達成に陰り

(フィリピン)

マニラ発

2023年08月21日

フィリピン統計庁(PSA)は810日、2023年第2四半期(46月)の実質GDP成長率を前年同期比で4.3%と発表した(添付資料表参照)。成長率は2023年第1四半期(13月)の6.4%から低下した。フィリピン国家経済開発庁(NEDA)は同日、経済成長が抑制された原因について、商品価格の高騰や政策金利の引き上げ、政府支出の減少や世界経済の成長の鈍化を挙げた。

2023年上半期(16月)の実質GDP成長率は5.3%となった。フィリピン政府が目標とする通年での6.07.0%の成長率を実現するためには、最低でも2023年下半期(712月)で6.6%の成長率を達成する必要がある。

2023年第2四半期の実質GDP成長率について、需要項目別にみると、民間最終消費支出が5.5%増、政府最終消費支出が7.1%減、国内総固定資本形成が0.04%減、輸出が4.1%増、輸入が0.4%増となった。民間最終消費支出は2023年第1四半期の6.4%増から減速したほか、政府最終消費支出が第1四半期の6.2%増から大幅なマイナスに転じた。政府最終消費支出が大きく減少した理由として、NEDA2022年が選挙の実施年で、選挙関連の政府支出があったことに対する反動減と説明している。

成長率を産業別にみると、農林水産業は0.2%増(前期:2.2%増)、鉱工業等は2.1%増(4.0%増)、サービス業は6.0%増(8.4%増)となった。いずれも前期と比較した際に、伸び率が低下している。

サービス業の内訳をみると、運輸・倉庫が17.3%増(前期:14.6%増)、宿泊・飲食が28.3%増(27.8%増)と高い伸び率を維持している。一方、政府機関、防衛、保安は2.4%減(1.5%増)とマイナスに転じた。

(吉田暁彦、アセンシオ・アシュレイモイラ)

(フィリピン)

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