米ニューヨーク市で入場料を30ドルまで値上げする美術館が増加
(米国)
ニューヨーク発
2023年08月08日
米国ニューヨーク(NY)市のグッゲンハイム美術館は8月1日、大人の入場料を現行の25ドルから30ドルに引き上げた。65歳以上、学生、障害者は19ドル、米国の軍人は25ドル、12歳未満の子供と食料費補助対策の公的扶助(SNAP/EBT)を受けている人は引き続き無料としている。
「ニューヨーク・タイムズ」紙(電子版8月2日)によると、グッゲンハイム美術館では、かつて収益源だったメンバーシップが2019年以降16%減少し、6月の来館者も2019年以降、8万9,600人から6万5,900人に26%減少している。新たな労働組合の結成に伴う給与の上昇や、インフレによるあらゆるコストの上昇が今回値上げを決定した要因だという。同美術館は8年ぶりの値上げを通じて、過去3年の財政逼迫を補うとしている(「ニューヨーク・ポスト」紙電子版8月3日)。
ホイットニー美術館も7月13日付で入場料を値上げした。大人は25ドルから30ドル、65歳以上と学生は18ドルから24ドルとなった。なお、18歳以下、米国の現役軍人または退役軍人、SNAP/EBTを受けている人の入場料は引き続き無料とし、金曜日の午後7~10時は払う金額を自分で決められる制度(Pay-what-you-wish)は導入し続ける。
メトロポリタン美術館も、1970年から全ての来館者に対して「Pay-what-you-wish」制度を導入していたが、2018年3月1日からこの制度をNY州の住民と、NY、ニュージャージー、コネティカット州の学生のみに限定するようになった。大人の入場料は同日から25ドルと設定した。その後、入場料は2022年7月1日に大人は25ドルから30ドル、65歳以上は17ドルから22ドル、学生は12ドルから17ドルへ引き上げられた(「ニューヨーク・ワン」2022年6月29日)。12歳未満は無料で、上述のNY州の住民などに限定した「Pay-what-you-wish」制度は引き続き導入している。
(吉田奈津絵)
(米国)
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