2022/2023年度の対日輸出額は前年度比40.5%増、国別で最大の伸びに並ぶ

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年08月14日

バングラデシュ輸出振興庁が7月に発表した輸出統計外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、20222023年度(20227月~20236月)の輸出額は5555,876万ドルで、前年度比6.7%増となった(2023719日記事参照)。このうち、日本向け輸出額は19158万ドルで同40.5%増となり、国別ではイタリアと並び、最大の増加率になった。バングラデシュにとって、日本は金額ベースで9番目の輸出先で、構成比は3.4%とアジアで最大だった(添付資料表1参照)。

対日輸出の品目別では、「ニット製品(HSコード第61類)」が87,429万ドルで前年度比48%増、「布帛(ふはく)製品(HSコード第62類)」が72,551万ドルで同42.8%増とともに大幅増となり、合わせると日本向け輸出額全体の84.2%を占める。その他、「履物など(第64類)」が93.8%増とほぼ2倍になった(添付資料表2参照)。

ダッカ日本商工会の竹内幸太郎繊維部会長(日華化学ダッカ事務所長)は、「日本向け繊維製品の輸出は、20212022年度は11億ドルだったのに対し、20222023年度は45.6%の伸びとなる16億ドルを記録した。一方で英国、カナダを含めた欧米向けは6.6%の伸びにとどまった(シェアとしては3ポイント減)。バングラデシュにとっては、ますます欧米以外の日本を含む新市場への輸出の重要性が高まっているといえる。特に日本向けの繊維製品の輸出については、バングラデシュ政府として2030年までに20222023年度の6倍以上となる100億ドル達成、という目標を掲げる。背景には、(1)バングラデシュの繊維産業ワーカーの賃金が、ライバル視されているベトナムに比べて半分以下のアドバンテージ、(2)これまでの綿100%のTシャツやパンツなどの定番品から、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維が混ざった素材の加工に加えジャケットのような高難易度の縫製ができるようになってきたこと、(3)特殊機能(抗菌防臭、消臭、防汚、はっ水)付与も可能になってきたこと、などが挙げられる。ダッカ日本商工会繊維部会としても、衣料品製造輸出組合(BGMEA)などの現地繊維関連協会と接触する機会を増やし、100億ドル実現に向けた取り組みに関わっていきたい」と話す。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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