タイ最大級のテックイベント「テックソース・グローバル・サミット」開催

(タイ、日本、EU)

バンコク発

2023年08月17日

タイ最大級のテック関連イベント「テックソース・グローバル・サミット(TSGS)」が81617日、バンコク中心部の国際会議場で開催された。国内外のスタートアップやベンチャーキャピタル(VC)、支援機関の関係者などが多数来場した。

タイのエコシステムで中心的な存在の地場コングロマリットの大型ブースが目立った。日系企業とも多数の合弁事業を持つサイアム・セメント・グループ(SCG)は、タイで初となる仮想現実(VR)を使った建設機械のシミュレーターを展示したほか、モノのインターネット(IoT)を活用したスマート・ホーム・ソリューションなどを発表した。同社は「Born in ThailandBIT)」をコンセプトに、タイ発イノベーションの開発に注力する。

写真 SCGの建機シミュレーター(ジェトロ撮影)

SCGの建機シミュレーター(ジェトロ撮影)

会場では企業ブースのほか、タイで関心の高い分野別にステージが設置され、クライメートテック、コーポレートイノベーション、フードテック、ヘルステック、ウェブ3、フィンテック、人工知能(AI)/データなどに関するセミナーやピッチが行われた。満席の上、立ち見での聴講者も現れるほどの盛況だった。

写真 テックソースの分野別ステージは活況(ジェトロ撮影)

テックソースの分野別ステージは活況(ジェトロ撮影)

国際エコシステムパートナーとして、ジェトロはジャパンパビリオンを設置し、J-Startup企業10社が出展した。東京都もブースを構えたほか、日本以外では香港や台北市、英国、フランス、ポーランドが出展していた。

写真 ジャパンパビリオンに10社が出展(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンに10社が出展(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンに参加した茨城県つくば市のスタートアップは、会場でのタイ大手メーカーとの商談で早々に手応えを得た。同社は断熱機能に優れた新素材を開発している。担当者は「タイでは省エネ・脱炭素に対する関心が極めて高い。地場企業と協業して、販路開拓を進めたい」と語った。また、脱炭素関連サービスを提供するスタートアップの担当者も「日系製造業が多数進出するタイでは、(脱炭素の取り組みが進む)欧州市場へ輸出するメーカーも多く、炭素削減対応が急務となっているため(同社サービス展開の)可能性を感じる」と話した。

気候変動対策で先行する欧州のエコシステム関係者のパネル討論では、欧州イノベーション会議(EIC)の幹部が登壇した。東南アジアの新興企業が世界展開を見据える上で、「気候変動に留意すべき」と述べた。世界的にZ世代を中心として、ESG(環境・社会・ガバナンス)や気候変動への関心が高まる中、「将来的なリスクに対する説明責任が必要だ」とした。また、原材料調達先などサプライチェーン全体での透明性確保、企業内のジェンダーバランスの重要性も強調した。

ポーランド投資・貿易庁の担当者は「数年前に比べて、タイのエコシステムは各段に良くなっている。スタートアップやベンチャーキャピタルの数も増え、支援サービスも充実している。特にタイでは政府機関による支援が活発で、新興企業は大いに活用した方が良い」と述べた。

(北見創)

(タイ、日本、EU)

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