山東省、越境EC飛躍発展行動計画を発表
(中国)
青島発
2023年08月03日
中国山東省政府は7月21日、「山東省越境電子商取引飛躍発展行動計画(2023~2025年)」を発表した。同計画は制度や科学技術、サービスのイノベーションに重点を置き、産業クラスターと越境電子商取引(越境EC)の融合を深め、山東省の製造業ブランドの国外進出をサポートすることを目的としている。計画では、2025年までに越境ECの特色ある産業ベルトを20カ所創設、国際競争力のある有名な越境ECブランドを100件育成、新進気鋭の越境EC企業1,000社をインキュベートするといった目標を設定している。
また、重点任務として次の11項目の取り組みを挙げている。
- 「越境EC+産業ベルト」モデルのイノベーションとレベルアップ
- 越境EC企業のさらなる成長へのサポート
- 越境ECの有名ブランドの育成
- 越境ECへのイノベーティブな金融サポート
- 国外倉庫建設・運営のレベルアップ
- 門的かつ効率的な越境物流システムの構築
- 越境ECに係る人材育成の最適化
- 越境ECの小売り輸入の拡大
- 貿易円滑化のレベルアップ
- 越境ECに係る税収政策の実施
- 越境ECの国内外での交流強化
なお、上記の「8.越境ECの小売り輸入の拡大」では、日本や韓国との近接性を生かした越境ECによる両国特産品の輸入拡大や、医薬品、医療器械の越境ECによる小売り輸入の試験的導入を図ることなどを示している。
各項目の実施に当たっては、山東省商務庁が全体的な計画と調整を強化し、業務上の重要かつ困難な問題の解決をタイムリーに推進することや、各市、県政府が各関係部門と緊密に連携・協力し、確実な実施に努めることなどを求めている。
現在、中国国内には165カ所の越境EC総合試験区があり、そのうち山東省には16カ所が設置されている。山東省政府が2月9日に発表した「2023年政府工作報告」では、2023年の重点業務に省内の同試験区を活用し、越境ECによる輸出入額を前年比10%増やすことを示した。
(李燕)
(中国)
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