小麦の大半をロシアに依存、対ロシア貿易は大幅な入超

(エジプト)

カイロ発

2023年08月16日

エジプト内閣府は82日、契約相手国や積み荷の金額、配達日などは明らかにしていないものの、公式フェイスブックにおいて、国内の6カ月間の小麦消費需要を満たすため、36万トンの小麦の輸入を契約したと発表した。

一方で、ロシアのタス通信(88日付)は、エジプト政府が9月後半に175,000トン、10月前半に6万トンの計235,000トンの小麦を輸入する契約をロシアと締結した、と報じている。同紙によると、ロシアのゲオルギ・ボリシェンコ(Georgy Borisenko)駐エジプト大使は6月、これまでエジプトは小麦の全輸入量の約半分に当たる年間約600万トンをロシアから輸入していたが、2023年は800万トンを超える可能性があると述べていた。

エジプトの中央統計動員局(CAPMAS)が727日に発表したデータによると、両国間の2022年の貿易額は前年比で輸出入とも増加した。エジプトのロシアからの輸入額は41億ドルと前年の36億ドルから13.9%増加し、エジプトからロシアへの輸出額も59,510万ドルと前年の48,960万ドルから21.6%増加している。エジプトのロシアからの輸入額のうち21億ドル(全体の51.2%)が穀物で、42,200万ドルが木材製品、36,300万ドルが鉄鋼製品となった。エジプトからロシアへの輸出は全体の85.6%となる5950万ドルが野菜・果物だった。エジプトは対ロシア貿易で大幅な輸入超過となっている。

(西澤成世)

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