BRICS工業担当相会議が開催、共同宣言を発表

(中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国)

北京発

2023年08月16日

第7回BRICS工業担当相会議が8月7日、オンラインで開催された。会議のテーマは「製造業の転換とアップグレードを促進し、持続可能な産業チェーンとサプライチェーンを確立する」で、中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国の工業主管部門のトップが出席した。

中国工業情報化部の金壮龍部長は同会議で、「中国政府は新型工業化を積極的に推進し、情報技術と工業化の融合を推し進め、伝統産業の転換とアップグレードを加速し、製造業のハイエンド、インテリジェント、グリーンな発展を促進し、デジタル経済と実体経済の深い融合を促進している」と述べた。金氏はまた、BRICS諸国が新たなチャンスや課題に直面する中、開放・包容、ウィンウィンな協力というBRICS精神を堅持し、より緊密に団結し、新工業革命におけるパートナーシップと協力を深め、チャンスをつかみ、共に課題を克服し、協力して未来を切り開くべきだとの見方を示した。

協力の取り組みとして次の3点が挙げられた。

  • デジタル時代のチャンスを捉え、工業インターネットなど有力な手段を活用し、製造業のデジタル変革を推進するために協力する。
  • デジタル経済の発展のために、開放的、包容的、公正、公平で差別のない環境を創造し、安全で安定的、円滑かつ効率的、開放的かつ包容的、互恵的かつウィンウィンのグローバル産業チェーン・サプライチェーンシステムを共同で構築する。
  • 共同協議・共同建設・共同享受の原則を堅持し、工業インターネット、ブロックチェーン、人工知能、ビッグデータなどの重点分野の人材需要に注目し、政策交流と技術交流を強化し、BRICS諸国の新工業革命分野の能力構築を共同で行う。

また、同会議において「第7回BRICS工業担当相会議共同宣言」が採択された。宣言では、BRICS諸国のデジタルトランスフォーメーション、中小企業の協力、産業チェーン・サプライチェーンの強靭(きょうじん)性の強化などがうたわれている。政策交流、人材育成、プロジェクト開発などの分野における協力の目標とビジョンがより明確になった。

(趙薇)

(中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国)

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