ベルリンで横浜市がモビリティのエコシステム向けに対日投資や協業をPR

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2023年08月02日

横浜市は712日、ドイツ・ベルリンにおいて、モビリティに特化したコワーキング施設の「ドライブリー」で企業誘致セミナーを開いた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。同セミナーは横浜市の山中竹春市長のベルリン訪問に合わせて開催したもので、横浜市がモビリティ分野でのイノベーションハブになることを目指し、ベルリンを始めとするドイツからスタートアップなどの企業を同市に誘致することが開催の目的。ジェトロは本セミナーを後援し、当日は経済団体関係者、ベルリンのモビリティ分野やデジタル分野のスタートアップ、コンサルタントなど40人以上が参加した。

セミナーの冒頭では、山中市長が自ら約10分間のプレゼンテーションを行った。プレゼンテーションでは、(1)横浜市は首都圏で、空港に近く新幹線停車駅もあるというアクセスの良さや利便性とともに、多くの大学や研究機関があり、労働者人口に対するエンジニアや研究者の割合が主要都市の中で全国一という点で人材が確保しやすいこと、(2)市内のみなとみらいエリアには世界規模の大企業が本社や研究開発(R&D)拠点を置いていること、(3)その隣の関内エリアには多くのスタートアップが拠点を構え始めており、大企業との協業やスタートアップ同士の交流がしやすいこと、が主な利点として挙げられた。

また、企業誘致のサポートプログラムとして、横浜市内で起業準備をする人への各種ビザ取得支援やオフィス賃貸の補助に加え、新たに海外スタートアップ向けの実証実験のサポートや外国企業と現地企業のマッチングを行っていることがアピールされた。

写真 山中市長が横浜市をPR(横浜市提供)

山中市長が横浜市をPR(横浜市提供)

その後は、在ベルリンで日本と欧州双方向の企業進出やオープンイノベーションをサポートするクロスビーの最高経営責任者(CEO)の山本知佳氏をモデレーターに、3社が登壇しパネルディスカッションを行った。

1社目は、横浜発の企業マクニカ。同社は、顧客のニーズに応えるため世界中から最先端の技術や知恵を集め、半導体などを扱う「技術商社」を確立しながら、現在は「サービス・ソリューションカンパニー」として、横浜市内で自動運転バスを活用するなど次世代交通サービス事業(MaaS)創出に向けてデモンストレーションを行うという活動にも力を入れている。

2社目は、ドイツのみならず欧州で活動するドイツ鉄道(DB)が、同社と協業できるスタートアップを発掘するために作った組織であるDBマインドボックス(DB mindbox)。多くの面談やピッチイベントを重ね、既に5,000社のスタートアップの情報を持ち、日本のスタートアップからの参加にも意欲を見せている。

3社目は、横浜市に拠点を持つドイツ発の企業、コンチネンタル・オートモーティブ。同市内には自動車の技術部門を中心としたR&D拠点を置き、市内で歩行者や車両の安全性向上を目的として、車両と歩行者の動きを検出するセンサーやカメラを設置し、そこで得られるデータを分析する実証実験を行ったという。

また、今回のセミナーのモデレーターを務めたクロスビーは、横浜の新しいオフィスではイノベーションコミュニティの立ち上げが始動し、外国企業もここで一緒にイノベーションを創出することを歓迎しているとアピールした。

写真 パネルディスカッションの様子(横浜市提供)

パネルディスカッションの様子(横浜市提供)

パネルディスカッション終了後のネットワーキングでは、現地スタートアップをはじめ、日系企業では三菱電機が参加するなど、集まった参加者が盛んに交流した。

(小川いづみ、小菅宏幸)

(ドイツ、日本)

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