米ミズーリ州で「2023グローバル・セントルイス・ヘルス・イノベーション・サミット」開催

(米国)

シカゴ発

2023年08月25日

米国のセントルイス地域バイオ産業振興機構(BIOSTL)は81516日、米国ミズーリ州で「2023グローバル・セントルイス・ヘルス・イノベーション・サミット」(以下、ヘルス・イノベーション・サミット)を開催した。

ヘルス・イノベーション・サミットでは、デジタルヘルス分野の168人のイノベーター、投資家、大企業が参加し、ネットワーキングが行われた。ヘルスケアに関するパネルディスカッションや選抜されたスタートアップ企業19社によるピッチなどがあり、社会的弱者への医療提供に関するパネルディスカッションでは、アルコール依存症で悩んだ過去を持つ事業者が登壇した。自身の経験を語るとともに、社会問題の解決を訴えた後には、会場はスタンディングオベーションに包まれた。本サミットは他のカンファレンスに比べ、病院の経営者やデータ入力担当者、保険業界や介護業界など、ヘルスケアの現場を持つ担当者の参加割合が高いことが特徴的だった。今回で7回目となる同サミットは、主催者によると、過去6回に参加した世界中から選抜したスタートアップ企業計75社から5社のユニコーン企業が生まれるなど、セントルイス地域のエコシステムの世界とのつながりや力強さが感じられる成果を上げている。

写真 ヘルスケアに関するパネルディスカッション(ジェトロ撮影)

ヘルスケアに関するパネルディスカッション(ジェトロ撮影)

写真 スタートアップ企業によるピッチ(ジェトロ撮影)

スタートアップ企業によるピッチ(ジェトロ撮影)

今回のサミットが開催されたセントルイスはミシシッピ川とミズーリ川の合流点に位置する地域で、同都市圏はミズーリ州とイリノイ州にまたがる280万人規模の経済圏を築いている。伝統的には製造業・金融業の街だが、近年は薬学・医学において権威のあるワシントン大学セントルイス校を中心に、創薬バイオ・デジタルヘルス分野での企業集積が進んでいる。さらに、地元大企業や政府の支援を受けながら、研究施設を世界のスタートアップに無償提供するなどし、そのエコシステムを大きく成長させている。

(原悠介、橋本翼)

(米国)

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