香港の人口、2023年央は前年同期比2.1%増、2046年には819万人に増加と予測

(香港)

香港発

2023年08月25日

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は815日、2023年央における香港の人口が前年同期比2.1%増の7498,100人(速報値)だったと発表した。また同日、20222046年の人口予測も発表した。発表では、人口が増加により、2046年央には819400人に達すると予測している。

政府統計処は人口増加とともに、少子高齢化の進展も予測している。年齢別にみると、2046年年央における014歳の人口比率は全体の7%で、2021年央の11%と比べて4ポイントも低下すると予測している。一方で、2046年央における65歳以上の人口比率は全体の36%となり、2021年の20%から16ポイント増と大幅に増加すると予測している。

香港政府報道官は、2023年央の人口について、「2022年下半期以降、水際対策が段階的に緩和され、香港と中国本土および海外との間での旅行が徐々に再開されている。また、海外に滞在していた数多くの香港市民が香港に戻ったことや、本土や海外からの人材誘致制度などを通じて香港に移住する人もいたことから、2023年上半期には大規模な人口純流入を記録した」と説明した。さらに、今後の人口予測については、「少子高齢化の傾向は今後も続き、香港の世帯構成や労働力供給に変化が生じるだろう。ただし、現政権が導入した人材誘致と労働力輸入に関する政策は、海外からの人材集積を促進しており、将来の人口増加の重要な原動力になる」と述べている。

香港大学の葉兆輝教授は「今回、2023年央の人口が増加したのは、新型コロナ禍からの往来再開に伴い、海外からの家政婦や海外に滞在していた香港市民が一気に香港へ戻ってきたことが原因と考えられる。将来的に継続して域外から人材を誘致できるかどうかは、香港が魅力的であり続けるか次第だ」とコメントしている(「信報」816日)。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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