車載電池用部材メーカーの星源材質、マレーシアに約1,000億円投じ工場建設へ

(中国、マレーシア)

上海発

2023年08月31日

中国の深セン市星源材質科技(星源材質)は8月26日、マレーシア・ペナン州にリチウムイオン電池用セパレーター(隔膜)の生産拠点を整備すると発表した。第1期プロジェクトの敷地面積は約66エーカー(約26万7000平方メートル)で、最大50億元(約1,000億円、1元=約20円)を投じる計画だ。工期は18カ月の予定で、セパレーターの生産能力は年間20億平方メートルに上る見込みだ。

星源材質は2003年9月に設立した車載電池向け大手部材メーカーで、2016年12月に深セン証券取引所に上場している。生産拠点は本社を置く広東省深セン市のほか、安徽省合肥市、江蘇省常州市、江蘇省南通市、広東省仏山市、スウェーデンなどに構え、研究開発センターは深センのほかに、日本(大阪)、ドイツに設置している。

星源材質はマレーシア進出の目的について、東南アジアでは新エネルギー車や蓄電池などの関連産業の発展が急速に進んでおり、サプライチェーン上の企業が相次いで進出する中、現地生産力向上を通じて、国外市場の新規開拓やシェアの拡大に寄与するとしている。

自動車産業専門の情報プラットフォーム「蓋世汽車」によると、2023年上半期では、少なくとも8社の中国車載電池メーカーが新たに国外生産拠点を設ける計画を発表しており、新たな生産能力は200ギガワット時(GWh)を超える。中国車載電池メーカーが国外で計画している生産能力の累計は575GWhを上回る見通しだ(「蓋世汽車」6月29日)。2022年の中国国内の車載電池販売量(搭載ベース)は294.6GWhで、国外ではその約2倍の生産が可能となる見込みだ。

(劉元森)

(中国、マレーシア)

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