タイ貢献党のセター氏が第30代首相に

(タイ)

バンコク発

2023年08月24日

タイで8月22日、タイ貢献党のセター・タビシン氏(注1)が第30代首相に選出外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますされた。首相選出投票では下院議員から330票、上院議員から152票の合計482票の賛成を獲得し、首相選出に必要な過半数(374票)(注2)を大きく上回った。反対に165票が投じられ、81人が棄権し、19人が欠席した。

これに先立つ8月21日、タイ貢献党は11党の連立新政権における閣僚ポストの割り当てについて公表した。まず、タイ貢献党から大臣8人、副大臣8人、首相府付大臣1人とした。旧与党系の政党については、タイ誇り党から大臣4人、副大臣4人。国民国家の力党(PPRP)は大臣2人、副大臣2人とし、タイ統一党(UTN)も大臣2人、副大臣2人とした。タイ国家開発(チャート・タイ・パタナ)党については大臣1人となった。また、旧野党のプラチャチャート党は大臣を1人とした。おおむね獲得議席数に応じた配分で、旧野党18人、旧与党17人と閣僚ポストをほぼ等分しており、下院総選挙で第1党に躍り出た前進党が目指した、親軍勢力の排除からはほど遠い結果となった。なお、閣僚ポストは与えられなかったが、連立新政権には国家開発・KLA(チャート・パタナ・クラ)党、プータイルアムパラン党、タイ自由党、パランサンコムマイ党、トンティータイ党も加わっている。

閣僚の発表については9月になる見込み。

(注1)不動産大手サンシリの創業者で、現在60歳。2022年にタイ貢献党に入党した。2023年5月の総選挙前に同企業の会長を辞職したが、選挙には立候補しておらず、民間人として首相に就任することになる。

(注2)投票権を持つ上下議員総数は747人。

(ピンラウィー・シリサップ、藤田豊)

(タイ)

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